『ラストキング・オブ・スコットランド』や『X-MEN』シリーズ、ドラマ『ダーク・マテリアルズ/ライラと黄金の羅針盤』などで知られるジェームズ・マカヴォイが、満を持して長編映画監督デビューを飾る。彼自身が出演し、メガホンを執った注目の監督作『California Schemin’(原題)』が10月2日にニューヨークとロサンゼルスで公開されることが決定。その後、10月9日より全米で拡大公開される。
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ジェームズ・マカヴォイが監督として挑む、衝撃のなりすまし実話
本作は、1990年代後半を舞台に、ギャヴィン・ベインが自身の体験を綴った自叙伝(後に「Straight Outta Scotland」として再発行)を映画化したもの。
物語の主人公は、音楽家を志すギャヴィンとビリー・ボイド。二人は熱い野心を抱いていたが、独特のスコットランド訛りを理由に業界からことごとく拒絶されてしまう。挫折の淵に立たされた彼らが選んだのは、自分たちを「カリフォルニア出身のラッパー」として塗り替えるという大胆不敵な賭けだった。ギャヴィンとビリーは、楽曲をすべてアメリカ訛りで録り直し、エミネムとの繋がりさえ含む捏造されたバックストーリーを引っさげてロンドンに乗り込む。この嘘が、彼らの運命を劇的に変えていくことになる。
彼らの危険な賭けは見事に的中した。レコード契約を勝ち取り、多額の前払い金を手に入れ、ついにはMTVへの出演まで果たす。しかし、知名度が上がれば上がるほど、その幻想を維持するリスクも増大していく。自分たちが何者であるかを隠し通すことの困難さと、崩壊の足音が忍び寄るスリルが、観る者を物語の深淵へと引き込んでいく。
本作は、昨秋のトロント国際映画祭でワールドプレミア上映され、2025年4月にはイギリスとアイルランドで公開済みだ。なお、ギャヴィンの自叙伝は、2013年にも『The Great Hip Hop Hoax』としてドキュメンタリー映画化されており、今回満を持しての映画化となった。
監督を務めたジェームズは、本作のアメリカ公開について次のように熱い想いを語っている。
「この実話をアメリカに届けることには、特別な意味がある。そこは、あの少年たちがずっと自分たちの出身地だと主張し続けていた場所だからだ。この物語の本質は、アメリカの音楽と文化への愛に触発された、自己の再発明、野心、そしてアイデンティティを巡る旅である。アメリカの観客が大きなスクリーンでこの物語を目撃できることに、とてもうれしく思っている」
俳優として確固たる地位を築いたジェームズが、監督としてどのような手腕を見せるのか。アイデンティティの境界線を問う、スリリングな音楽ドラマに期待が高まる。

『California Schemin’(原題)』は、日本での配信・公開情報は今のところ未定。(海外ドラマNAVI)




