長年連れ添った夫婦の絆が揺らぐ姿を描き、数々の賞を受賞した『さざなみ』やゲイカップルの週末3日だけの関係を描いた『ウィークエンド』など、深く繊細な人間ドラマを魅せるアンドリュー・ヘイ監督最新作『荒野にて』。4月12日（金）より公開となる本作に出演するクセモノ俳優たちを紹介しよう。
母に捨てられ、父を亡くし、愛してくれる人を全て失った15歳の少年チャーリーが、自分の居場所を探し求める姿を繊細に描きあげる本作。主演のチャーリーを演じるチャーリー・プラマー（『ボードウォーク・エンパイア 欲望の街』）は孤独、やるせない心の痛みを瑞々しく演じ、第74回ヴェネチア国際映画祭にてマルチェロ・マストロヤンニ賞（新人俳優賞）を受賞した若き期待の新星だ。
天涯孤独となったチャーリーが唯一心を許す老いた競走馬ピートのオーナーで、愛嬌のある「負け組」デルを演じるのは、『レザボア・ドッグス』、『ビッグ・リボウスキ』、『ファーゴ』をはじめ、どの出演作でも観客に熱烈な印象を残すスティーヴ・ブシェミ。かねてよりファンであったというヘイ監督はブシェミが演じた役柄について「デルはどうにか生活していこうと頑張っている男なので、露骨な悪人にはしたくなかった。ブシェミは自然体で周囲にいる皆を支えてくれる、この映画には欠かせない人物だよ」と語っている。
また、原作小説では二人だったキャラクターを統合して作り上げられた人物であり、デルの元で騎手として働くボニーは、『ビッグ・ラブ』や『アメリカン・ホラー・ストーリー』でお馴染みのクロエ・セヴィニーが演じる。監督は「僕が大好きな映画『トゥリーズ・ラウンジ』以来、スティーヴとクロエが共演する姿を見られたことがすごく嬉しかった。二人の間には、嘘偽りのない気楽さがある。それに役者として相性がとても良いんだ」と、彼らの共演が念願であったことを明かしている。
さらに、チャーリーの父親を演じるのは、カルバン・クラインのモデルから俳優に転向し、『ヴァイキング ～海の覇者たち～』で主演をつとめ、映画『ウォークラフト』、『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』にも出演したトラヴィス・フィメル。この味わい深い3人のバイプレイヤーが脇を固め、新星チャーリーの瑞々しさを際立たせている。
『荒野にて』は4月12日（金）ヒューマントラストシネマ渋谷他 全国順次ロードショー。（海外ドラマNAVI）
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『荒野にて』©The Bureau Film Company Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2017
