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『ホワイトカラー』でFBI捜査官ピーター・バークを演じているティム・ディケイ。
舞台やテレビドラマで長年活躍している実力派だけに、シーズンを重ねる中で、「ピーター=堅物だけど誠実で、情にもろくて愛妻家」というキャラクターをしっかりと作り上げている。筆者はちょうど一年前にも彼を取材したが、素顔の彼は演じているピーター以上にいい人オーラがあふれている。この日も一度の取材ではコメントが足りないと思ったのか、撮影の合間を縫って、もう一度、話をしてくれるという人の良さ。
僕が思う、ピーターは非常に強いモラルを持った人で、何が正しくて、何が間違っているか、物事の本質を見極めている人なんだ。さらに彼は素晴らしいユーモアのセンスも持っていて、何が面白いかもわかっている。よく犯罪ドラマでありがちなFBI捜査官と違って、ピーターは人生を愛しているし、人間が好きなんだよ。彼はFBIの中では、知的犯罪捜査班(ホワイトカラー・クライム・ユニット)のリーダーとしての立場にあるけれど、デスクでじっとしているよりも自分から現場に出て行って悪党を追っかけるのが好きで、それを楽しんでいる。僕はピーターのそんな若々しい部分を表現したいといつも思っているんだ。
ドラマはそんなティムが演じるピーターとニールの絶妙なコンビネーションで人気を集めているが、互いの関係はどうやって築いていったのだろう?
マットと僕は本当に互いを俳優として尊敬し合っているし、二人で演技を楽しむことを大事にしてる。だから、現場での即興もうまく行ってるんだた思うよ。実は僕らの間にはルールがあってね。もしも、どちらかが何かを言ったら、必ず『イエス』と言わなくてはいけない。たとえば、マットが『あそこに象がいる』と即興で言ったら、心の中では、『何、バカなこと言ってるんだよ』と思いながらも、『あ、ホントだ』と言わなきゃいけない。そこで、『ノー、いないよ』なんて答えたら、話は終わってしまうからね。そうやって、マットと僕は撮影現場を楽しんでいるし、僕らのそんな演技がピーターとニールの友情の深さを表すことにつながってると思うんだ。
ところで、ピーターと妻エリザベスの仲の良さも見どころの一つ。しかも、シーズン3以降は、エリザベスがFBI捜査官ばりの活躍をするエピソードもあり、ピーターを驚かせる。
日本に、こんな諺があるかわからないけれど、『家族の中でパンツを履いている人こそ、主導権を握っている』という言い方があるんだ。ピーターとエリザベスの間では、エリザベスがパンツを履いてるんだ。もちろん二人はとても深い絆があるんだけれど、ピーターは毎日、悪党を追っかけて、場合によっては撃たれる危険性だってある。だけど、そんな最中だって、『エリザベスに頼まれたクリーニングを取りに行ってない、忘れるとヤバイっ!』なんて考えていたりする。つまり、エリザベスの尻に完璧に敷かれてるってわけさ(笑)
シーズン3の15話(『ホームランボールを奪え』)では監督を経験したティム。その思い出を聞いてみた。
ああ、あれは最高だったよ。ラストシーンでヤンキー・スタジアムでピーターとニールがキャッチボールするシーンがあるんだけど、ヤンキー・スタジアムでは、フィールドのベース・ラインの外側でしかキャッチボールができない。ラインから向こうに立ち入ってはいけないし、フィールドにカメラを置いてはいけないことになっている。いろいろ決まりがあるんだよ。それで、スタッテン島にニューヨーク・ヤンキースのファームチームの野球場があったので、クローズアップのショット撮影はそこで撮り、ヤンキー・スタジアムではワイドショットを撮り、二つを編集して作り上げたんだ。本物のヤンキー・スタジアムだけで撮影したように見えていたら、大成功だね(笑)
聞けば、シーズン4でも再び監督。
そう13話でね。ハーレムにあるすごく有名なコットン・クラブが舞台になるんだよ。ジェーン役のダイアン・キャロルは有名なシンガーでもあるんだけれど、そのエピソードで3曲も歌う。最高の歌を聴かせてくれて、最高に楽しかったし嬉しかった。しかも、いい作品に仕上がった。日本のみんなにもいずれ見て欲しいと思うよ。
「ピーターとニールの関係は、ポーカーをやっているようなもの。お互いの人生について話すし、いつも一緒にいる。だけど、決して自分の手の内は明かさない。信頼しているようで、どこか信頼しきれない関係なんだ」
そんな風に二人の関係を語るティムだった。
さあ、最後はピーター最愛の妻、エリザベスこと、ティファニー・ティーセンと、モジー役、ウィリー・ガーソンにインタビューします! お楽しみに!