先日お伝えしたとおり、DCコミックから1999年に刊行された「リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン(League of Extraordinary Gentlemen)」というコミックが、米FOXで新たにドラマパイロットとして製作されることになった。しかし、原作を手がけたコミック作家のアラン・ムーア(『ウォッチメン』『Vフォー・ヴェンデッタ』)は、ドラマ化に好意的な見方をしていない。
「リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン」は、19世紀末の大英帝国を舞台に、ネモ船長(海底二万里)や透明人間、ジキル博士(ジキル博士とハイド氏)といった名作小説の主人公たちが力を合わせて、共通の敵と戦う物語。2003年には、ショーン・コネリーの主演で映画化されたことがあったが(『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』)、そのときの興行収入は芳しくなく、映画シリーズの構想は実現しなかった。
今回、FOXは新たな映像化にチャレンジすることにしたわけだが、ムーアや、作画担当のケヴィン・オニールが製作に参加するという情報は出ていない。このことを米Entertainment Weeklyに訊ねられたムーアは、笑いながら次のように言ったという。
「そのニュースは先日耳にしたばかりなんだけど、ケヴィンも私もクスクス笑っていたよ。DCコミックが『ウォッチメン』の前章となるコミックを出すというニュースでも、私はすごく攻撃的なことをたくさん口にした。今日のエンターテイメント業界は、明らかにネタ切れで、真夜中にゴミ箱やタン壺をかきまわしているみたいだとね」
「『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』のTVシリーズ化という発表を聞いても、意見は大して変わらないな。今度は、成功しないと証明されたアイデアまでリサイクルしようとしているようだ」
大会社のもとで受ける干渉をきらい、DCコミックやハリウッドとは距離をおいていることが知られているムーア。今回の発言も、そんな彼の姿勢を色濃く反映したものとなっている。(海外ドラマNAVI)