視聴率が悪いと容赦なく切られるアメドラの世界で、生き残っているばかりか、シーズンごとに視聴率アップしているという、したたかなドラマがこの『スキャンダル 託された秘密』! はじまった当初は、もっとメロドラマ色が強かったのですが、エピソードを重ねるごとに骨太になり、新シーズンでは話題沸騰。アメリカでは、すでにシーズン3に入っているのですが、ドラマ部門の視聴率ランキングでは、毎週トップ常連というほどの大人気です。
シーズン1では、オリヴィア(ケリー・ワシントン)とフィッツことグラント大統領(トニー・ゴールドウィン)をめぐる不倫関係が中心で最初はワクワクドキドキだったんですが、そのうち二人の密会シーンも、な~んとなくマンネリ化。一国の大統領ともあろう男が浮気相手を恋しがって嘆くシーンに、私はTVに向かって、「ええ加減にせんかいっっ。」と喝を飛ばし始めてました。(ダンナに、「うるさい!」と叱られましたが。苦笑)
でも、そんな私の願いが通じたのか(←思い込み!)、新シーズンにはいってドラマが急ピッチに展開。主人公ふたりのイケナイ関係は相変わらず続いているのですが、(これに対抗していきなり妊娠しちゃう大統領夫人の執念に敬礼! 苦笑)それはとりあえず置いておいて、フィッツがなぜ大統領になったかをめぐる、大統領選の密謀にスポットライトがあたります。まさにこの番組タイトルが『スキャンダル』である由縁ともいえる、恐るべき陰謀が明らかにされるのです。
これに伴い、オリヴィアとフィッツを取り巻くキャラたちに厚みも出てドラマの旨味がアップ! たとえば、大統領補佐官のサイラス(ジェフ・ペリー)。シーズン1では、大統領夫人メリー(ベラミー・ヤング)の面の皮の厚さに押され気味でしたが、新シーズンでは彼の存在がかなりのものに。一見物腰柔らか、冷静沈着なオネエ・タイプ(彼はゲイ)かと思いきや、実はホワイトハウスを牛耳る陰の立役者であることが明らかになってきます。
また、サイラスの旦那さまこと、ジェームス(ダン・ブカティンスキー)にも注目! 若くて野心家の政治ジャーナリストである彼は、シーズンが進むごとに伴侶のサイラスも顔負けのしたたかさを見せて、ゆくゆくドラマの指針に大きな影響を与えることになります。
オリヴィアを法律事務所で支える"スーツ姿の戦士"たちも、それぞれに色々な過去が明かされはじめて興味津々。特にオリヴィアお抱えの天才ハッカーこと、ハック(ギルアム・ディアス)は、要チェックです。CIAの機密部門で拷問専門官として洗脳され、残忍な職務を強いられタマシイ喪失状態の彼でしたが、オリヴィアに救われシーズン1では平穏な生活を取り戻したかに見えていました。でも新シーズンに入り、ハックに変化が...。ある一件をきっかけに、洗脳で植え付けられていたダークな"職業癖"が目を覚ましてしまうのです!
ハックの"職業癖"たるや、ホラー映画のノリで、「ヒェ~!」と思いつつも、ついつい見入ってしまうという、あのノリがたまらないんですねえ。ちなみに、『スキャンダル』の視聴率アップの一因は、ハックの存在にあり、と私は勝手に思っています。(笑)
あと、イケメンに目のないアメドラ・ファンは、フィッツを忘れようと躍起になるオリヴィアの前に現れる謎のハンサム男ジェイクにご注目。ちなみに、ジェイクを演じるスコット・フォレイは、『グレイズ・アナトミー』のヘンリー・バートン役で海外ドラマファンにはすでにお馴染み。甘いマスクのジェイク、最初はオリヴィアの心を虜にする、ただのプレイボーイかと思いきや...。このキャラは、新シーズンのミソとなるので詳細は伏せておきますね。それにしても、強い女オリヴィアはモテます。(笑)
普通なら、「メロドラマ系サスペンス・ドラマなんて興味ないわ」、というアナタ!かくいう私も、そうだったんですよ。でも、友だちにしつこく勧められて、『スキャンダル』を見始めたんです。そして気がついたらドップリとはまってました。だまされたと思って、2エピソードほど見てみてください。気がついたらアナタも禁断の楽しみにハマることうけあいです。
Photo:『スキャンダル』 (c)ABC Studios