実在の凶悪犯や殺人事件を検証する、Netflixのドキュメンタリーシリーズ『殺人者への道(原題:Making a Murderer)』が全米で大きな反響を呼んでいる。米Varietyなど複数のメディアが報じた。
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とある殺人事件の報道をベースに、最初の誤審から殺人事件に発展した経緯、さらに司法制度改革が本当に信頼のおけるプロセスなのかを検証する本作が取り上げたのは、2005年にフォトグラファーのテレサ・ハルバッチさんを殺した罪で収監されているスティーヴン・エイヴリー受刑者。彼はかつて犯していない暴行罪で有罪判決を受け、18年服役した後にDNA検査で無罪が証明されて2003年に釈放されていた。しかしその2年後、今度はテレサさんを殺害したとして逮捕され、仮釈放なしの終身刑に。そんなエイヴリーを追った今回のドキュメンタリー放送後、テレサさんの件も冤罪なのではないかという声が強まり、彼と、共犯として同じく収監中の甥の二人に対して大統領恩赦を求める署名活動が起きている。ホワイトハウスの公式サイトに掲載された彼らの嘆願書は、以前の誤認逮捕でエイヴリーから訴えられていたマニトウォク郡保安官事務所が二人を有罪にするために不適切な手段を講じた明白な証拠があると主張。現時点で20万人以上の署名が集まっているという。
署名運動を引き起こすほど評判となった同シリーズは、アカデミー監督のウィリアム・フリードキンをはじめ、リッキー・ジャーヴェイス、ロージー・オドネルなどからも素晴らしいドキュメンタリーだと称賛されている。
なお、テレサさんの事件に関わった当時の地方検事ケン・クラッツは、「あのドキュメンタリーではまったく言及されていなかったが、エイヴリーが80~90%の確率で犯人だという、科学捜査により明らかになった証拠があるはずだ」と反論している。
2015年、米HBOが放送した犯罪ドキュメンタリー『Jinx: The Life and Deaths of Robert Durst(原題)』で取り上げられた疑惑の大富豪ロバート・ダーストはその後、殺人罪で逮捕されている。『殺人者への道』はエイヴリーを恩赦に導くことができるだろうか? (海外ドラマNAVI)
Photo:Netflix