米HBOで先日スタートしたばかりのSFドラマ『ウエストワールド』。本作で製作総指揮・脚本・監督を担当しているジョナサン・ノーラン(『パーソン・オブ・インタレスト 犯罪予知ユニット』)は、ビデオゲームのストーリーテリングに興味を抱いていることを明かした。
『ウエストワールド』は、人気作家マイケル・クライトンが1973年に監督・脚本を担当した同名のSFサスペンス映画をもとに、J・J・エイブラムス率いる製作会社バッドロボットがプロデュースする10話構成のシリーズ。人間そっくりなアンドロイドが来場者の相手をするアミューズメントパークで、アンドロイドたちに異常が生じるというストーリーだ。
その本作の陣頭指揮をとっているノーランは、VICEのインタビューで、ビデオゲームを最近までよくプレイしていたと話し、次のように続けている。
「今日、多くの興味深いストーリーテリングを、ビデオゲームの中で見ることができる。マイケル・クライトンがオリジナルの映画脚本を書いていた時には存在しなかったもので、主人公の行動は物語の一部ではない、という概念に僕は魅了されたんだ。"THE ELDER SCROLLS V:SKYRIM"や"レッド・デッド・リデンプション"、それに、自由な行動が許されるBioware社のゲームでは、道徳は定まっていない。ヒーローの道徳範囲が幅広い物語をどうやって書くのか――それは魅力的な課題だ」と話すノーラン。
ノーランはさらに、ビデオゲームのNPC(ノン・プレイヤー・キャラクター)がゲーム世界で独自に生活をし、プレイヤーと交流する点にも関心があると述べている。
ちなみに、本作でウエストワールドを訪れる入場者たちは、"ホスト"と呼ばれるアンドロイドを相手に、セックスや殺人を含むどんな行動も許されるという設定。そんな入場者たちの行動は、ビデオゲームの主人公と重ね合わせて見ることもできるかもしれない。ゲームの文法に魅了されたクリエイターが手がけることで、従来のTVドラマとは違ったテイストが期待できそうな『ウエストワールド』は、日本ではスターチャンネルにて、10月13日(木)に初放送される。(海外ドラマNAVI)
Photo:『ウエストワールド』
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