『FAMOUS IN LOVE』ベラ・ソーン ~ディズニー・チャンネル出身女優が切り拓くスター街道~

明日のスターを夢見るハリウッドの若手俳優たちの登竜門、ディズニー・チャンネル。これまでブリトニー・スピアーズやジャスティン・ティンバーレイクといったシンガーから、ライアン・ゴズリング、ザック・エフロン、ゼンデイヤ、ヴァネッサ・ハジェンズなどの人気俳優まで、数多くのスターたちを輩出してきた。

しかしながらブレイクへの道は厳しく、同局からスター街道を歩んだ若手というのは数えるぐらいしか存在しない。仮に才能があったとしても、プライベートがしっかりしていなければ、すぐに切り捨てられてしまうこの世界の中で、今、ひときわ異彩を放った若手女優が引く手数多の存在となっている。

彼女の名前は、ベラ・ソーン。

奇抜なファッションや過激な言動などでゴシップ誌を賑わす若手セレブの彼女だが、ここ数年、女優としての活躍にも目を見張るものがある。そんな彼女が歩んできたスター街道を振り返ってみよう!

2003年にデビューを飾り、子役として活躍!

1997年10月8日、米フロリダ州でキューバ系、イタリア系、アイルランド系の血を引く両親のもとに4人兄妹の末っ子として生まれたベラは、家族でカリフォルニア州に引っ越したことを機に子役としてのキャリアをスタートさせる。そのデビューは2003年、当時6歳の時だ。マット・デイモン&グレッグ・キニア主演のコメディ映画『ふたりにクギづけ』でクレジット無しというごくごく小さな役柄ではあったが、女優デビューを果たす。

2006年には『アントラージュ★オレたちのハリウッド』、2007年には『The O.C.』と人気ドラマへの出演を重ね、2008年にはハートウォーミング・ドラマ『ホームタウン ~僕らの再会~』にゲスト出演。こちらも小さな役ではあったが、赤毛に透き通るような白い肌をしたキュートな少女は、他の子役とは異なる存在感を放っていたのは言うまでもない。

その後も人気ドラマから映画まで幅広く活躍したベラは2010年、自身のキャリアを決定づけるTVドラマに出演する。

『シェキラ!』でティーンから絶大な支持を集める

2010年より3年間ディズニー・チャンネルで放映されたドラマ『シェキラ!』で主人公の一人、シーシー・ジョーンズ役に抜擢されたベラは、キュートなルックスと幼少期より得意としてきたダンスを駆使して、全米ティーンから絶大な支持を集めるようになる。

ディズニー・チャンネルの歴史に名を刻む視聴者数を記録した同作におけるベラは、普段は活発でちょっとおとぼけな女の子だが、実は失読症を抱えており、悩むことも多々あるという難しい役どころだった。自身も失読症を抱えて成長し、学校でいじめられることも多かったという彼女は説得力のある演技で、悩みを打ち明けられないティーンたちに勇気を与える存在となっていく。

20181201Bella02.jpg【関連記事】『シェキラ!』ベラ・ソーンがバイセクシュアルをカミングアウト

共演者のゼンデイヤと共にディズニー・チャンネルを代表する女優となった彼女は、その後、『グッドラック・チャーリー』、『フレネミーズ』、『ティーン・スパイK.C.』と続々と同局の大ヒット作品に出演。ディズニー・チャンネル卒業後の活躍にも大きな期待を持たれるようになるのだった。

優等生イメージを打破し、キャリアアップに成功!

ディズニー・チャンネル出身の俳優たちにとって、その後のキャリアアップを図るのは極めて困難と言われている。現に同局の作品で人気を博したものの、そのまま表舞台から退いていった俳優たちも少なくない。そのキャリアを持続できない最たる要因というのが、俳優に定着してしまった優等生イメージである。ディズニーはハリウッドにおいても特にプライベートの管理が厳しいことでも知られている。「子供たちの良き手本となるべし」という方針のもと、体調管理から交友関係まで、その徹底ぶりには余念がない。

多感なティーン時代をそんな世界に捧げた子役たちは、そんなイメージ定着に苦しみ、やがてハリウッドを去っていくというのが、関の山だった。しかし、ベラは違った。ティーンからの絶大な支持を良い方向に捉え、自身の持つ影響力の高さを駆使。奇抜なファッションや歯に衣着せぬ発言の数々でゴシップ誌を賑わせながらも、その枠にとらわれることのない生活スタイルは、ベラと共に成長してきた多くのハイティーン女子たちのロールモデルとして名を知らしめるようになる。

そんなベラは歌手やモデルとしての活躍を経て、女優としての将来を嘱望される存在としても評価されていく。

キャリアの転機となった2本のNetflixオリジナル映画

TVドラマ『スクリーム』や映画『THE DUFF/ダメ・ガールが最高の彼女になる方法』で端役ながらに印象的な演技を魅せたベラは、2017年に2本のNetflixオリジナル映画へ出演し、高い評価を得る。

1本目はティーン・スリラーの傑作『ラストウィーク・オブ・サマー』だ。ひと夏の淡い恋が悪夢と化す同作で、主人公の青年タイラーとの関係に固執し、狂気的な言動を繰り返すホリー役を熱演し、その妖艶な悪女っぷりに各方面から高い評価を受ける。そこにはディズニー・スター時代の面影は一切なく、大女優の貫禄すら感じさせるのだ。

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続く2本目『ザ・ベビーシッター』では、ベビーシッター先で悪魔儀式を始める高校生の一人を好演。今度は打って変わって箸休め的なコメディ演技を垣間見せ、幅の広さを証明。この2本のNetflixオリジナル映画への出演が彼女の女優としての才能に注目が集まるきっかけとなり、着実にスター街道を歩んでいくのだった。

2018年、日本でも大ブレイクの時を迎える

"ハリウッド最旬の若手女優ベラ・ソーン"と聞いても、いまひとつピンとこない方々も多いことだろう。まだまだ日本ではコアな海外ドラマ好き界隈でしか、有名でないかもしれない。しかし、2018年は日本のファンにとってベラ・ソーンという女優を広く知ってもらえる機会が多かったように思う。なぜなら彼女の最新作が2作品、日本上陸を果たしたからである。

2006年に大ヒットを記録した日本映画『タイヨウのうた』をハリウッドが生まれ変わらせた『ミッドナイト・サン ~タイヨウのうた~』で、色素性乾皮症を患った主人公ケイティ役を、透き通るような歌声と共に好演。消え入りそうになりながらも必死に生きようとする17歳の内面をしっかりと掘り下げた熱演を魅せた。

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そして、この冬、もう一つの最新出演作である海外ドラマ『FAMOUS IN LOVE』が日本で解禁となった。同作は、ごく普通の生活を送っていたペイジ・タウンセンが、友人に誘われるがままにハリウッド映画のオーディションに参加したことから、見事役を手にし、煌びやかなハリウッドの裏で繰り広げられる欲望の渦に巻き込まれていくというストーリー。『ゴシップガール』以来の本格女子ドラマとして大注目の作品であり、ベラのキュートな一面と狂気的な一面の双方を楽しめるのも魅力の一つとなっている。

この2作がベラ・ソーンという名前を広く知らしめる効果をもたらし、日本でも大きく飛躍する時を迎えているというから、今のうちにチェックしておきたいものだ。

ディズニー・ドラマ『シェキラ!』に主演したベラとゼンデイヤの二人が、成長著しい活躍を魅せてくれていることに喜びを感じるファンも多いことだろう。特にベラは女優として今後ますます大きく羽ばたいていくことは間違いない。

彼女が歩んできたスター街道と重なる内容が繰り広げられる海外ドラマ『FAMOUS IN LOVE』は、スーパー!ドラマTVで絶賛放送中!

(文・Zash)

Photo:『FAMOUS IN LOVE』ベラ・ソーン(c) Warner Bros. Entertainment Inc. ベラ・ソーン&ゼンデイヤNYKC/FAMOUS 『ザ・ベビーシッター』© 2015 Warner Bros. Entertainment Inc.