実の母に捨てられた過去を持つ写真家のゼイネプは、パートタイムで勤めることになった小学校で、一風変わった生徒メレクと出会う。メレクは年齢の割には身体が小さく、あちこちにアザがあった。実はそのアザはメレクの母親の恋人がつけたもので、母親は見て見ぬふり。異変に気づいた保健の先生からの助けもはねつける。夜の街に一人でいるメレクをしばしば見かけるうち、次第に心を通わせるようになっていたゼイネプは、ある日メレクの家を訪ねて彼女が酷い虐待を受けている現場を目の当たりにする。すぐさまメレクを自宅に連れ帰るが、公的な機関に通報して保護してもらうことがどうしてもできない。ゼイネプは、メレクを守るために彼女を誘拐し、母親になる決意をする。ここから、二人の逃避行が始まる…。