第71回エミー賞予想~現地メディアはどう見る?【ドラマ・シリーズ部門】

アメリカTV界にとって年に一度の祭典、第71回エミー賞授賞式が日本時間9月23日(月・祝)に行われる。各カテゴリーで魅力的な作品や俳優などが候補に挙がる中、【ドラマ・シリーズ部門】、【コメディ・シリーズ】、そして【リミテッド・シリーズ/TVムービー】部門の主要部門について、現地メディアの予想をまとめ、受賞の行方を様々な視点から追ってみよう。第1回目の本日は【ドラマ・シリーズ部門】からご紹介。

■作品賞

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『ベター・コール・ソウル』
『ボディガード -守るべきもの-』
『ゲーム・オブ・スローンズ』...本命
『キリング・イヴ/Killing Eve』...対抗
『オザークへようこそ』
『POSE』
『キング・オブ・メディア』...大穴
『THIS IS US/ディス・イズ・アス』

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』、『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』といった注目作がノミネートの対象外となった今年。ドラマ・シリーズ部門作品賞の大本命は、昨年の受賞作でもあり、本年度は過去最多ノミネーション数32を記録した『ゲーム・オブ・スローンズ』だろう。エミー賞は視聴者の人気よりも投票者(テレビ芸術科学アカデミー会員)から見て質の高いドラマが選ばれる傾向にあったが、『ゲーム・オブ・スローンズ』ほど世界中で愛された作品を前にすれば、今年は対抗馬を上げることさえ難しいかもしれない。

もちろん、他の作品に可能性がないわけではない。『キリング・イヴ』は、昨年は主演女優賞(サンドラ・オー)と脚本賞の2部門のみのノミネーションだったが、今年は作品賞を含む8部門9ノミネーションとさらなる飛躍を遂げた。こちらもエミー賞の有権者に限らず大きなファン層を持っているシリーズで、注目度は高い。

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■主演男優賞

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ジェイソン・ベイトマン『オザークへようこそ』...対抗
スターリング・K・ブラウン『THIS IS US/ディス・イズ・アス』
キット・ハリントン『ゲーム・オブ・スローンズ』
ボブ・オデンカーク『ベター・コール・ソウル』...大穴
ビリー・ポーター『POSE』...本命
マイロ・ヴィンティミリア『THIS IS US/ディス・イズ・アス』

昨年はファイナルシーズンを迎えた『ジ・アメリカンズ』のマシュー・リスが有終の美を飾り、2017年のスターリング・K・ブラウン(『THIS IS US』)、2016年のラミ・マレック(『MR. ROBOT/ミスター・ロボット』)は共に新作から選ばれていた。では今年はどうか―。

ファイナルシーズンを迎えた『ゲーム・オブ・スローンズ』は作品賞の大本命と言われているが、同作から主演男優賞という枠では初めてノミネートされたキット・ハリントンの名前をあげるメディアは意外と少ない。一方で、新作『POSE』のビリー・ポーターは圧倒的な支持を得ている。ビリーは2013年にミュージカル『キンキー・ブーツ』でトニー賞ミュージカル部門主演男優賞を受賞しており、その実力はすでに世界の知るところ。舞台に続き、今度はTV界最高峰の栄冠を手にするかもしれない。

■主演女優賞

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エミリア・クラーク『ゲーム・オブ・スローンズ』...大穴
ジョディ・カマー『キリング・イヴ/Killing Eve』...対抗
ヴィオラ・デイヴィス『殺人を無罪にする方法』
ローラ・リニー『オザークへようこそ』
マンディ・ムーア『THIS IS US/ディス・イズ・アス』
サンドラ・オー『キリング・イヴ/Killing Eve』...本命
ロビン・ライト『ハウス・オブ・カード 野望の階段』

今年、アジア系の女優として初めてゴールデン・グローブ賞ドラマ部門女優賞を受賞したサンドラ・オーがエミー賞でもフロントランナーを務める。昨年はエミー賞に初めてノミネートされたアジア系女優として注目されたものの、『ザ・クラウン』のクレア・フォイにトロフィーを譲る形となってしまったため、今年こそ念願の受賞が期待されているというわけだ。そんな彼女の対抗馬として挙げられるのは、『キリング・イヴ』で共演しているジョディ・カマー。実は今年の英国アカデミー賞(BAFTA)の主演女優賞はサンドラではなくジョデイが受賞している。

さらに、『ゲーム・オブ・スローンズ』から男優賞のキット同様、初めて主演カテゴリーにノミネートされたエミリア・クラークも忘れてはならない。ダニーの愛称で親しまれたドラゴンの母は劇中では衝撃的な結末を迎えたが、演じたエミリアは作品の勢いに乗ってシリーズファイナルにして初めての栄冠を掴むことができるのか、注目が集まる。

■助演男優賞

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アルフィー・アレン『ゲーム・オブ・スローンズ』
ジョナサン・バンクス『ベター・コール・ソウル』...対抗
ニコライ・コスター=ワルドー『ゲーム・オブ・スローンズ』...大穴
ピーター・ディンクレイジ『ゲーム・オブ・スローンズ』...本命
ジャンカルロ・エスポジート『ベター・コール・ソウル』
マイケル・ケリー『ハウス・オブ・カード 野望の階段』
クリス・サリヴァン『THIS IS US/ディス・イズ・アス』

『ゲーム・オブ・スローンズ』から3人もノミネートされた助演男優賞。その中でも、過去に3度本賞を受賞しており、ファイナルシーズンでも完璧に役を全うしたティリオン・ラニスター役のピーター・ディンクレイジに支持が集まっている。もしピーターが受賞すれば、エミー賞助演男優賞を4度受賞する初めての俳優となる。

■助演女優賞

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グウェンドリン・クリスティー『ゲーム・オブ・スローンズ』
ジュリア・ガーナー『オザークへようこそ』...本命
レナ・ヘディ『ゲーム・オブ・スローンズ』...大穴
フィオナ・ショウ『キリング・イヴ/Killing Eve』
ソフィー・ターナー『ゲーム・オブ・スローンズ』
メイジー・ウィリアムズ『ゲーム・オブ・スローンズ』...対抗

なんと助演女優賞では『ゲーム・オブ・スローンズ』から4人もノミネートされているが、それゆえに各々に票が割れることが懸念される。専門家の予想ではとりわけ強い印象を残したアリア・スターク役のメイジー・ウィリアムズの名前をあげる声も多かったが、結果的に各メディアが大本命の印を押したのは『オザークへようこそ』のジュリア・ガーナーだ。

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第71回エミー賞授賞式は、日本時間9月23日(月・祝)に米ロサンゼルスのマイクロソフトシアターで開催される。FOXチャンネルでは午前9時から二カ国語版(同時通訳)で、今年も日本独占生中継。午前8時からはレッドカーペットも生中継予定。海外ドラマNAVIでも速報をお届けするのでお楽しみに!

今回参考にした米メディアは以下の通り。
(Indie Wire, Variety, Los Angeles Times, Gold Derby, Deadline)

(翻訳/Ai Ono)

Photo:

エミー賞(c) Television Academy.
『ゲーム・オブ・スローンズ』(c) 2019 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO(R) and related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc
『THIS IS US/ディス・イズ・アス』(c) 2019 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.
『POSE』(c) 2018 FX Productions, LLC. All rights reserved.
『キリング・イヴ/Killing Eve』(c) Parisa Taghizadeh/BBCAmerica
『オザークへようこそ』(c) Jessica Miglio/Netflix