10代目ドクターのデヴィッド・テナントが『ドクター・フー』を降板した理由

英長寿SFドラマ『ドクター・フー』で10代目ドクターを演じたデヴィッド・テナント。特に2005年のリバイバル版から見始めた人にとって大人気のドクターだが、そんな彼が本作を降板した理由を改めて米CBRが報じている。

デヴィッドの明るい性格と3シーズンの在任期間により、彼が『ドクター・フー』で演じたドクターは最も印象深いものの一つ。その降板はたとえ友好的なものであったとしても、時代の終わりを告げるものだっただろう。

デヴィット演じる10代目ドクターは、早口でエネルギッシュなキャラクターで、この役に活気を与え、当時大人気に。象徴的なチャックテイラーとブルーのスーツは、9代目ドクター(クリストファー・エクルストン)のレザージャケットファッションとは異なり、その陽気な性格で、深刻な問題に取り組んでいるときでさえも視聴者を楽しませてくれた。

そんな人気絶頂の2008年、デヴィッドは降板を発表。前任のドクターが製作側との間に不穏な空気を漂わせながら役を去っていったのに対し、デヴィッドは自分の意思で去ることを決めたそうだ。彼は、人々がもっとこのドクターを見たいと求めている間に役を終えたいと考えていたという。このキャラクターが陳腐化しないように、そして10代目ドクターが人気絶頂のうちに辞めることができるよう決意。このように、長くなる前に終わらせるという戦術は多くの作品で成功しており、デヴィッドのドクターの人気からして、彼にとっても成功だったと言えるだろう。

またデヴィッドのこのタイミングは『ドクター・フー』にとって、ある区切りとなるという利点もあった。最初の4シーズンを担当したショーランナーのラッセル・T・デイヴィース(『英国スキャンダル ~セックスと陰謀のソープ事件』)が作品を離れ、スティーブン・モファット(『SHERLOCK/シャーロック』)にバトンタッチすることになったのだ。デイヴィスとモファットは、2009年から2010年にかけて放送された一連の『ドクター・フー』スペシャル番組で一緒に仕事をした。その中には、2009年と2010年に放送されたスペシャル「時の終わり」でテナントから11代目ドクターのマット・スミスに移行するシーンも含まれていた。

デヴィッドの降板は、一つの時代の終わりを告げる一方で、作品が別の方向に進む際の具体的な分岐点となった。彼はこの作品とそのストーリーを愛したまま作品を去り、ドクター・フーを演じることが"本当に仕事だ"と感じる前に辞めたいと言っていた。

デヴィッドはその後、他の役柄に挑戦し『ブロードチャーチ ~殺意の町~』『Marvel ジェシカ・ジョーンズ』『グッド・オーメンズ』といった作品で素晴らしいキャリアを積んでいる。(海外ドラマNAVI)

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Photo:

デヴィッド・テナント©Joe Vincent/FAMOUS