米雑誌The New Yorkerに掲載され全米で話題となった記事を、『アベンジャーズ』シリーズのルッソ兄弟のプロデュースで映画化した『モスル~あるSWAT部隊の戦い~』。2021年11月19日(金)の全国公開に先立ち、徹底的にリアリティを追求したというキャスティングについてご紹介しよう。
本作の舞台は、長引く紛争ですっかり荒廃したイラク第二の都市モスル。IS(イスラム過激派組織)に襲われたところを、あるSWAT部隊に救われた新米警察官カーワは、ジャーセム少佐が率いるその部隊の一員となる。本部からの命令を無視して独自の戦闘を行う彼らは十数名の元警察官からなる特殊部隊で、ある使命でつながっていた。激しい戦闘で仲間を失い絶望的な状況に直面しながらも、部隊はISの要塞に向かう決断をする。そこにはカーワが想像もしなかった、彼らの隠された任務があった――。
この物語を描くうえで欠かせないのは、やはりSWAT部隊のメンバー。メガホンを取ったマシュー・マイケル・カーナハン監督(『大いなる陰謀』、『ワールド・ウォーZ』)は、劇中の言語をすべてアラビア語にし、米国人俳優の起用はしないなど、キャスティングへのこだわりを貫いたという。キャストの中にはイラクに住んだ経験がある者もおり、肌で感じたイラクの苦しみと荒廃状態を、リアルすぎるほどに作品へと昇華させている。
部隊を率いるリーダー的存在であるジャーセム少佐役には、アカデミー賞受賞作品『ハート・ロッカー』や、ティナ・フェイとマーゴット・ロビー主演のコメディドラマ『アメリカン・レポーター』などに出演しているイラク生まれのスヘール・ダッバーシ。
ワリード役には ヨルダンの人気TVシリーズ『Asfourayyeh(原題)』で主演し、本作で米国映画初出演となるイスハーク・エルヤス。
シーナーン役にはヨルダンで生まれ、スタンダップコメディアンとしても活動する傍ら、人気TVシリーズ「Tawq al-Asphalt(原題)」に俳優として出演、本作で映画デビューを果たすアフマド・ガーネムが扮している。
また、カーナハン監督は「アラビア語とアラビア語圏の俳優に決めた次に重要だったのが 3 週間の軍事訓練だ。世界中から俳優が集まっているわけだから、それぞれ背景が異なる。だからこそ全員でゼロから同じ土台から作り上げなければならなかったんだ」とも語っている。実際に"タイガー・スワン"と呼ばれる世界中から集められた元エリート軍人たちの集団に指導を仰ぎ、俳優たちに兵器の使い方や操縦法などを習得させるべく厳しいトレーニングを課したという。
徹底的にリアリティを追求したキャスティングと、彼らの鍛え抜かれた演技に注目の『モスル~あるSWAT部隊の戦い~』は、11月19日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー。(海外ドラマNAVI)
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スヘール・ダッバーシ/イスハーク・エルヤス/アフマド・ガーネム