架空の大陸ウェスタロスを舞台に、“鉄の玉座”をめぐる王家の戦いを圧倒的スケールと緻密なシナリオで描き、エミー賞ほか数多くの賞を受賞するヒット作となった『ゲーム・オブ・スローンズ』。その人気シリーズの前日譚として制作された『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』は、本編の物語の200年前に起こった、ドラゴン使いの一家・ターガリエン家の王位継承争いを描くシリーズとして2022年にシーズン1がスタートし、HBO史上最多視聴者数を更新するヒットを記録。続くシーズン2でもその勢いは衰えず、世界を席巻し続けている。
そして、最新となるシーズン3がU-NEXTで6月22日(月)より独占配信! 字幕版と同時配信となる日本語吹替版を担当する早見沙織(レイニラ・ターガリエン役)と津田健次郎(デイモン・ターガリエン役)を直撃し、新シーズンの見どころや、演じるキャラクターについて語ってもらった。
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『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』シーズン3配信開始!日本語吹替版予告編を公開
本日6月22日(月)より独占配信開始の米HBOオリジナルドラ …
シーズン3は「第1話からドキドキしてしまう展開」

――「テレビ史上最も狂気じみた回」と製作陣が語る「ガレットの海戦」を描いたエピソード(第1話「塩と海 炎と血」)を筆頭に大きな戦いの予感がするシーズン3ですが、シーズン3を吹き替えてみての見どころを教えてください。
早見:シーズン3の第1話を見て、これぞ『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』だなと感じました。レイニラとしては、シーズン2でアリセントとかなりヒリヒリするようなやり取りをして、それがシーズン3でどのように繋がっていき、どのように描かれていくのかが楽しみな要素の一つでした。ですが、シーズン3の第1話から、「大丈夫なの?」というぐらいドキドキしてしまうような展開にもなっていて、シーズン3も戦いと思惑が交差する見逃せない物語になるのではないかと思っています。
津田:シーズン3にも、シーズン1と2にあった独特の緊張感がずっと漂っている感じはもちろんあります。シーズン3における僕のアフレコ・シーンだと、かなり泥まみれと血まみれになって戦っているシーンもあるのですが、そういうシーンはシーズン1からあまり演じてこなかったかなという気がしています。デイモンは少しシュッとした印象なのですが、シーズン3では本当に泥まみれで、血まみれになって戦っているシーンがあって、本来は武闘派でもあるんだというところは、すごく感じましたね。生首をドンッと投げるシーンがあったり、非常にシビアな状況の中で、この人たちは生きているんだというのを体感できて、また違うシーズンが始まったんだという印象はありました。

レイニラを吹き替える早見の演技は「すごく新鮮で、すごく意外」
――シーズン1から吹き替えてきたキャラクターの魅力を教えてください。
早見:レイニラはとても強い意志を持っている人だと、シーズン1の時からずっと感じていましたが、シーズン3の第1話を収録して、その意志がより強固なものになっていると思いました。やはり王女として、自分がその場所にいることへの責任や覚悟、突き進む思いのようなものが、あふれんばかりにみなぎっているシーズン3の第1話でしたね。だからこそ、子どもたちの意見や周りの人の意見と時には衝突してしまうのですが、それでも自分の意志を貫くという描かれ方は見ていてドキドキします。そのようなところも含めて、責任や覚悟を腹の底に抱きながらずっと生きているレイニラの姿が、シーズン3では特に魅力を感じています。
――お二人ともアニメなどでは数多くの共演があると思いますが、吹替版において主演級の役柄で共演してみて、津田さんは、早見さんの演技の印象や、アニメ作品における早見さんの演技や声との違いなど、感じていることはありますか?
早見:何をおっしゃられるのか、ドキドキします(笑)
津田:いやいや(笑) 他の作品では柔らかい役でご一緒することが多いので、レイニラのような本当に強くて、まっすぐな役というのがすごく新鮮です。
早見:私もここまでの役はなかなかないですね。すごく気合いを入れないと演じることができないです。
津田:すごくエネルギッシュだしね。だから、最初はすごく意外だったんですよ。でも、沙織ちゃんが持っている本質的な強さみたいなものがすごく前面に出ていて、かっこいいですよ。
早見:頑張っております。

――特にシーズン2後半から、王ではなくて女王が鉄の玉座に座るのかというところで、レイニラには王のような男性的な強さと言うべきものも出始めていますね。
早見:そうですね。母だから、女性だからと言われたくないところは、台詞でもありました。
――そのような流れから、シーズン3ではレイニラがいよいよ戦いの場に出るかもしれないという期待があります。
早見:そうなんですよ。今まで、レイニラが戦場に出ようとすると、みんなが待てと言って止めるのですが、本人は血気盛んなんです(笑)
津田:戦える人だからね(笑)
早見:シーズン1から、飛び出しがちなところがありましたよね。
津田:わりと暴走しがちな女王様だなという感じだよね。セクシーな印象もシーズン1と2あたりは強かったような気もするんですけど、それがシーズンを重ねるごとにどんどん武将感が出てきているという気はしますね(笑)
デイモンは津田のハマリ役?「津田さんの声で脳内再生される」
――津田さんは、吹き替えているデイモンのどんなところに魅力を感じていますか?
津田:最も魅力を感じているところは、何を考えているのか分かりにくいところですね。俳優のマット・スミスさんが表情をすごく抑えたお芝居をされていらっしゃるというのもあって、気持ち悪いんですよ(笑) 感情の表出の仕方みたいなものが、ちょっと粘っこくて、それが魅力だと思います。本心が見えにくい面白さや、どこに行くか方向性が分かりにくいというか。そこが本当にこの人は面白いなと感じていますね。
――デイモンは、裏切ったり、戻ってきたりを繰り返しながら、シーズン2のラストで、ついにレイニラへ忠誠を誓うことになりました。
津田:もともと、キャラクター的に不安定な人でもあるのかなという気はしていました。シーズン1の最初の頃は、レイニラがすごく幼くて、(隣の早見に向かって)デイモンは彼女の叔父さんなんだよね。
早見:叔父さんなのですが、二人は今や結婚して夫婦になりました。
津田:そうなんだよね。だから、中世ヨーロッパ的な大河ドラマならではの閉鎖された、おどろおどろしいところも含めて、欲望と荒々しさが渦巻く面白さが全編を通してあるんです。その中でも、デイモンは何を考えているのかが非常に読みにくい面白さがあって、そこが色気に繋がっているんだと思いますね。危ない色気みたいなものがあって、冷徹な顔とかはすごく面白いなと思います。武将としてもちゃんと戦える人ですが、シーズン3では戦場で荒々しく剣を敵にグサグサと刺していたりするので、本来の彼が持っている危なさが、より出てきたなという感じはしています。

――早見さんは、津田さんが演じられている声を聴いての印象をどう感じていますか?
早見:もう津田さんしか考えられないという印象です。
津田:ありがとうございます(笑)
早見:シーズン3の吹替収録がシーズン2から少し間が空いているにもかかわらず、家でシーズン3の原音の映像をチェックしている時でも、デイモンが喋っていると、まだ吹き替えていないのに津田さんの声で脳内再生されるんです。
津田さんもおっしゃられていましたが、デイモンは心の奥底でどのようなことを考えているのか、手の内が完全に明かされない雰囲気がずっとあるキャラクターです。もちろん、レイニラにデイモンが忠誠を誓ったり、二人が結婚したり、レイニラが孤独を吐き出したりと、いろいろな心の内を見せ合うやり取りはありますが、やはりデイモンは本心をさらけ出してはいないと感じます。
私が言うのは大変おこがましいとは思うのですが、津田さんの表現によってデイモンによりいっそう「この色合いは何!?」と感じるほど繊細に色がついていくんです。その瞬間に立ち会うと、そんな日本語吹替版に参加できることの喜びを感じます。
津田:そんなに褒めてくれると、めちゃめちゃ嬉しいですね(笑)

高地ヴァリリア語を吹き替えるのは大変!?「ひたすら原音を聴いています」
――『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』の日本語吹替版では、イギリス人俳優の多さや時代劇的な口調など、本作ならではの吹替版の面白さ、難しさがあると思いますが、特に高地ヴァリリア語(※『ゲーム・オブ・スローンズ』における架空の言語で、ターガリエン家で用いられている)を吹替キャストの皆さんがそのまま吹き替えているのが印象的でした。
津田:高地ヴァリリア語を吹き替える時は、もうひたすら原音を聴いて、演じていました(笑)
早見:何度も原音を聴いて、演じるだけです。(隣の津田に向かって)日本語演出も、特に何の指示もないですよね。
津田:ないない。とりあえずお任せ(笑)
早見:吹替台本に書かれている高地ヴァリリア語は、翻訳者の方が原音を聴いてカタカナで起こしてくださっているのですが、やっぱり違うんです。
津田:原音を聴くと、まったく違うように感じるよね。
早見:英語をカタカナにすると違うのと同じで、高地ヴァリリア語もカタカナにすると本来の発音とはズレが生じるので、結局は耳コピになっています。
津田:ひたすら繰り返して聴いてだよね(笑) それで実際に吹き替えてみて、演出の方にチェックしていただいて、みたいな感じでアフレコをしています。

――最後に、シーズン3を楽しみにされている方々へメッセージをお願いします。
早見:いよいよシーズン3がU-NEXTで独占配信されます。レイニラとしても、本当にシーズン3の第1話から、たぎるような思いと覚悟を持って臨んでいます。レイニラ本人が思う通りに進まないところもあると思いますが、いろいろな人の思惑が絡み合う中で、レイニラとしてどのような道を歩んでいくのかを、ぜひ見届けていただきたいです。アフレコ現場でも、吹替キャスト一人ひとりが魂を引っ張り出して表現されていらっしゃるのを感じているので、ぜひ日本語吹替版でもご覧いただけると嬉しいです。
津田:シーズン1からシーズン2へと盛り上がってやってきましたけれども、さらにシーズン3でどんな展開になっていくのか、僕らも先の展開が読めずに、ワクワクしながらアフレコをさせていただいております。さらに壮大な、激しい物語になっていくような予感がしているので、皆さんの期待に応えられるのではないだろうかと思っています。愛憎が渦巻き、裏切りと信頼、そしてドラゴン同士の戦いも含めた武力がぶつかり合う戦いも、本当に勢いが止まらずにお送りできると思います。沙織ちゃんを筆頭に、激しく、濃い吹替キャストの皆さんがずらっと並んでいるので、日本語吹替版も含めてぜひ楽しんでいただけたらと思います。

『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』シーズン3(全8話)は、字幕版・日本語吹替版ともにU-NEXTにて配信中。毎週月曜日に一話ずつ配信となる。
(取材・文/豹坂@櫻井宏充)









