厳冬のロシア、粗末な馬車で母親とともに荒野を急ぐ女性がいた。彼女は、まだ幼さの残るフレデリーケ(のちのエカテリーナ)。プロイセン(ドイツ)の小国に育った貧しい貴族の娘だが、ロシアを支配する女帝エリザヴェータの決断により、次期王位継承者であるフョードロヴィチの后候補となったのである。夢と野望に満ちたフレデリーケは、持ち前の賢さを生かしてロシア語の勉強に励み、エリザヴェータとの謁見で良い印象を与えることに成功。しかし宮廷で待ち受けていたのは、愛のないフョードロヴィチの態度やフレデリーケとの結婚に反対する宮廷に渦巻く陰謀だった…。