韓国ドラマと日本ドラマの間で、リメイクが相次いでいる。なかでも注目したいのが、韓国ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』を日本でリメイクした『南田南弁護士は天才肌』と、日本ドラマ『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』を韓国でリメイクした『ドクターX ~白衣のマフィア~』の2本だ。
日本版『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』はほぼ忠実、でも細部に日本らしさ
『南田南弁護士は天才肌』の第1話は、大筋でほぼ韓国版どおりだ。ただ、細かな変更点に翻案の工夫が見える。
ひとつは、キンパが塩おにぎりに変わったこと。韓国版で主人公がキンパを好む理由は、「中身が見えて予想外の味に驚くことがない」からだった。日本版の塩おにぎりは味が塩と米だけなので、「驚くことがない」という理由に置き換えられていた。とはいえ、塩おにぎりだけでは栄養が足りないのでは、とつい心配してしまう。
もうひとつは、主人公の苦手なものが回転ドアからエレベーターに変わったこと。日本では過去に事故があり、回転ドアがあまり普及していないためで、この置き換えには納得できる。エレベーターで降りていくシーンも、「海の中に潜っていくみたい」というセリフと相まって印象的で、よいリメイクだったと思う。
過去のリメイクには、設定を大きく変更して批判を浴びた作品もあった。かといって、まったく同じでは芸がない。今後、日本版がどのように独自色を出していくのか、期待して見守りたい。
韓国版『ドクターX』はノワールを前面に、笑いも残して
一方、韓国版『ドクターX』は、かなり大胆に色を変えてきた。
骨格は日本版のままだ。フリーランスの天才外科医が、権力争いの渦巻く大学病院に乗り込んでいく。法外な報酬や定時退勤といった設定も、多くが受け継がれている。ただ、韓国版は「メディカル・ノワール」を掲げて社会派サスペンスの色合いを強め、主人公のケ・スジョンも「手術室の狂犬」と呼ばれるダークヒーローとして描かれる。白衣ではなく、黒いレザーコート姿のビジュアルも公開された。日本版を象徴する「私、失敗しないので」に相当するセリフも、序盤の2話ではさほど強調されていなかった。
では、日本版の魅力だった笑いはなくなったのか。序盤こそシリアスな印象が強かったものの、話が進むにつれてコミカルな場面も増えてきたという声がある。日本版のような派手な笑いではなく、乾いた抑えめのユーモアで笑いを誘う方向に調整したのだろう。
これだけアレンジが大きいと、評価も割れる。原作ファンの中には、ユーモアやキャラクター同士の掛け合いが薄れたと感じる人もいれば、抑制の効いた演技と韓国ならではの脚色を気に入っている人もいる。監督は、医療制度などの背景が異なるため、骨格と魅力的な設定は残しつつ、韓国ならではの情緒を生かして再解釈したと語っている。
そのまま移すことで魅力を保とうとする『南田南弁護士は天才肌』と、トーンごと作り替える『ドクターX ~白衣のマフィア~』。リメイクの方針は対照的だが、どちらにも自国の視聴者に向けた工夫がある。原作を知っているからこそ「どこを変えたか」を探せるのが、リメイクの醍醐味だ。
今回挙げた4作品は、いずれもNetflixで配信中。
※すでにNetflixを利用中でも、利用開始登録の際に、現在Netflixアカウントに登録しているEメールアドレスを用いて登録することが可能。この場合Netflixに支払い済みのNetflixの月額料金は返金されないので要注意。
※Apple iTunes billingをNetflixの月額料金の支払い方法として登録していた場合は、利用開始登録の前に支払いキャンセルの手続きが必要。
※他社Netflixパッケージサービスをご契約の方は、他社Netflixパッケージサービスを解約する必要あり。








