韓国語で”春”を意味するボムと、”四季”を意味するサゲが出会う韓国ドラマ『四季の春~恋めぐる僕らの季節~』がLeminoにて配信中。この記事では、甘酸っぱくてほろ苦いラブストーリーに過去の闇が複雑に絡み合う、キラキラ青春物語では終わらないドラマの魅力を紹介する。(ネタバレあり)
転落からの再出発~サゲとボムの運命的な出会い
物語は世界を股に掛けるK-POPスターのサゲ(ハ・ユジュン)が、酒に酔って事務所の代表を殴ったことをきっかけに、活動自粛に追い込まれるシーンから始まる。
サゲは在籍中の大学に通うことになり、そこでいつも夢で聴く音楽を耳にする。それは音楽科のボム(パク・ジフ)が持っていたアクセサリーが奏でていたものだった。それからチームを脱退して本格的に大学生となったサゲは、偶然が重なりボムの家を間借りすることに。ボムが大学から排除されそうになったサゲを助けたことで、次第に心の距離も縮まっていく。
ラブロマンスだけじゃない!仲間との絆&大人との対立は必見
この作品で描かれるのは、そんなサゲとボムの運命的なロマンスだけではない。
サゲは大学のバンド部に入り、ボム、ボムの従姉妹ギュリ(ソ・ヘウォン)、ボムの幼馴染テヤン(イ・スンヒョプ)、先輩のジング(キム・ソンミン)と一緒にバンド「トゥ・サゲ・バンド」を結成し、多くの時間を彼らと共有するようになる。自分たちがやりたいことをする、若者たちの熱い絆を描いた物語でもあるのだ。
しかし、ボムに想いを寄せるサゲとテヤンは衝突してばかり。最初はボムを巡って喧嘩をしていたが、その衝突はだんだんとサゲたちの活動を邪魔しようとする大人たちにつながっていく。
サゲが所属していた事務所の代表サンホン(チョ・ハンチョル)と、テヤンの父で病院の院長を務めるミンチョル(キム・ジョンテ)は友人で、過去にボムの母親をひき逃げしていたのだ。サゲはそれを不意に思い出し、サンホンを殴ってケガをさせたのだった。またミンチョルも、自分の息子にはこの件に関わって欲しくないという親心と、事件を隠蔽したい気持ちから、サゲとボムの邪魔をするようになる。
そんな繋がりがあることを知らずにいたボムとテヤン、そしてサゲは、事件を掘り返してほしくないサンホンとミンチョルの横やりによって引き離されてしまう。自分の体裁や私利私欲のために、人の命を奪った大人たちに屈せず、第三者であるサゲが正々堂々立ち向かう勇姿は、単なる復讐劇とは異なる爽快さがある。
ファンタジー要素が引き起こす心の葛藤
さらに、物語を大きく動かしていくのは、幼い頃のボムの記憶がサゲに見えてしまう理由だ。サゲは6年前、大けがをして目を負傷し、移植手術が必要になった。そのドナーとなったのがボムの母親。ドナーの記憶を一部受け継いだのだ。それによって事件の真相が明らかになるのだが、サゲはボムの悲しみがあったから今自分が健康で生きているのだと知り、ボムの元にいるべきではないと思い悩むことになってしまう。
一方で、ボムは突然サゲが別れを告げて家を出てしまったことに悲しみを隠せない。それに加えて、何も知らないテヤンは、自身がボムにあっけなく振られたことと、ボムに近づいたり離れたりするサゲに対しての憎しみがどんどん大きくなっていく。3人の心のすれ違いには見ているこちらも胸を痛めたが、何より全てを知っているサゲが一番辛かったに違いない。それでもスーパーポジティブな性格で、全てが明るみになったのが救いだった。
チョン・ヘイン、ロウンら…豪華キャストが大集結!
また、本作で最も注目すべき点は、作品に登場するキャスト陣の豪華さだろう。サゲを演じたハ・ユジュンは、今年デビューのバンドAxMxPのメンバーとして実際に活動しており、テヤン役のイ・スンヒョプは同じ事務所の先輩でN.Flyingのメンバーだ。
さらに『D.P. -脱走兵追跡官-』『となりのMr.パーフェクト』のチョン・ヘイン、『偶然見つけたハル』『恋慕』のロウン、FTISLANDのイ・ホンギ、ILLITのウォンヒらも登場した。本当に一瞬の出演だが、物語の重要なポイントで出演している。特にチョン・ヘインが演じたキャラクターの存在は、事件を終結させるための大きな手助けとなった。
キラキラとしていた生活から大転落してしまうが、それでも仲間とポジティブな性格によって前に進もうとしていくサゲ。未来へ歩んでいくサゲとボムが幸せな人生を送れるように願わずにはいられない。観終わった後には、劇中で何度も流れる「SEE YOU LATER」を思わず口ずさんでしまうだろう。
(文/伊藤万弥乃)
『四季の春~恋めぐる僕らの季節~』配信情報
『四季の春~恋めぐる僕らの季節~』はLeminoで独占配信中。第1~3話は無料配信中。
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