シーズン3の配信を控えるNetflixシリーズ『イカゲーム』。ゲームの勝敗だけではなく貧困や過激な競争社会など、本作のストーリーの背景には韓国をはじめ世界中で巻き起こっている様々な社会問題が描かれているが、その理由について監督が語っている。
ファン・ドンヒョク監督がゲームを通して伝えたいメッセージ
人生詰みかけだった男ソン・ギフン(イ・ジョンジェ)がゲームで優勝してから3年後。シーズン2では、ギフンが謎多きゲームの支配人フロントマン(イ・ビョンホン)に迫り、イカれたゲームに終止符を打つことを決意して再びゲームに舞い戻った。ゲームの行方や個性的なキャラクターが繰り広げる人間ドラマ以外にも、身近な社会問題が物語の背景に投影されていることでも視聴者の関心を集めている本作。
例えばシーズン2では、ゲーム終了後に毎回生き残った参加者らによってゲームの続行を巡る義務的な投票が行われ、その結果2つの陣営に分裂し衝突する参加者たちの姿が描かれた。
このシーンに込めた意図についてファン・ドンヒョク監督は、「世の中には挙げてもキリがないくらい多くの対立が生まれています。そして韓国だけでなく世界中が分裂し、互いに線引きして敵対し合う問題が深刻化しつつある。こうした状況を象徴的に表現するために、参加者たちを『○』と『×』に分けて敵対し合う様子を描くことにしました。これは私たちの社会の縮図を描くようなもの。ゲームを通して『これが今の社会の姿ではないのか、参加者たちは私たち自身ではないのか?』ということを問いたかったんです」と言及している。
また、プレイヤーたちのキャラクター設定にも格差社会や差別、偏見といった現実的な問題を反映。卑劣な投資詐欺に遭いゲームへの参加を余儀なくされたジュニ(チョ・ユリ)や、暗号通貨投資に失敗したことにより甚大な損害を負うことになった元インフルエンサーのミョンギ(イム・シワン)など、シーズン2で年齢層の低い参加者の姿が目立ったのは、社会階層間の移動が困難になったことで労働ではなく、暗号通貨や株式で一発逆転を狙う若い世代が激増している昨今の世界情勢を受けてのこと。
さらに、パク・ソンフン演じるトランスジェンダーのヒョンジュも、韓国社会でも完全に受け入れられているとは言い難く、社会的に孤立していると見なされがちなジェンダーマイノリティを表したキャラクター。「韓国作品ではトランスジェンダーのキャラクターが登場することは稀です。だからこそ、このキャラクターを作りました」とファン・ドンヒョク監督はヒョンジュを登場させた経緯を明らかにしている。
パク・ソンフンも「世間の偏った考え方が取り除かれ、差別や不利益を受けることなく誰もが自信を持ってありのままの自分でいられるようになることを願っています」と自らの役に込めた思いを語っている。
シーズン1でも、元ソウル大学主席のエリートで投資に失敗して転落生活を送るサンウ(パク・ヘス)や、家族のために資金を必要とする脱北者のセビョク(チョン・ホヨン)、パキスタンから韓国にやって来た外国人労働者のアリ(アヌパム・トリパティ)など、様々な理由によって苦しい生活を強いられるキャラクターたちの姿が映し出され、多くの視聴者からの共感を呼んだ。
これまで同様に格差社会や競争社会といった残酷な“現実”が反映されており、困窮したプレイヤー同士の思惑や動機が絡み合う濃密な人間ドラマが展開されるシーズン3。最終章にして、“史上最悪”に非道なゲームが、ついに動き出す――。
Netflixシリーズ『イカゲーム』シーズン1~2は独占配信中。シーズン3は2025年6月27日(金)世界独占配信。
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