2024年一番おもしろかった韓国ドラマ5選|『私の夫と結婚して』から『照明店の客人たち』まで
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2024年も数多の韓国ドラマが日本に上陸。そのなかから、海外ドラマNAVIのライター&編集部が「一番おもしろかった!」と絶賛するとっておきの作品を5作紹介。年末年始のおやすみに視聴する作品探しの参考になれば幸いだ。

『私の夫と結婚して』

私の夫と結婚して
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末期がんを患った末に夫とその不倫相手に殺されたヒロインが、10年前に遡ってクズ夫と不倫相手である親友に復讐する『私の夫と結婚して』。昨今「転生もの」が韓国ドラマの中でも人気の高いジャンルとなっているが、その中でも今年特に印象に残った作品だ。

パク・ミニョン演じるヒロイン、ジウォンは、クズ夫との結婚を回避すべく、夫(10年前は彼氏)ミンファンと不倫相手スミンを結婚させようとするワケだが、綿密に計画を立て二人を追い詰めていく様子はまさに爽快。悪役たちが徹底的に悪いやつなので、彼らに一泡吹かせていく展開は本当にスカっとした。特にミンファンを演じたイ・イギョンは韓国ドラマ史に名を残すクズ男を熱演。視聴者を大いに楽しませた。

そしてこの作品を語る上で外せないのはナ・イヌの存在だ。影ながらジウォンを支える上司ジヒョクを演じて大ブレイク。序盤は「お洒落に興味のないダサい部長」という設定だったが、隠しきれない圧倒的なカッコ良さで視聴者を次々に沼へ落としていった。188cmの高身長と広い肩幅でジウォンを守る、ジヒョクの献身的な愛に毎話胸キュン。

復讐劇とラブロマンスが絶妙のバランスで進行する展開は、まさに寝不足必至の面白さだ。

ライター/よしはらゆう

『私の夫と結婚して』Amazon Prime Videoで独占配信中

『私のヘリへ ~惹かれゆく愛の扉~』

私のヘリへ ~惹かれゆく愛の扉~
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2024年も多数の名作韓国ドラマが配信されたが、中でも『私のヘリへ ~惹かれゆく愛の扉~』が印象に残った。シン・ヘソン主演に惹かれて視聴したが、私の心に深く刻まれたのはカン・フンの切ない演技だった。

解離性同一性障害を患うアナウンサー・ウノ(シン・ヘソン)の別人格であるヘリ(シン・ヘソン2役)と恋人同士になるジュヨンを演じたカン・フン。ジュヨンは、事故死した兄に負い目を感じて生きており、兄の夢だったアナウンサーになったものの、他人と深く関わらず空虚な日々を送っていた。

そんなジュヨンの目の前に現れた天真爛漫なヘリ。最初は風変わりな風貌のヘリに尻込みするジュヨンだが、彼女のポジティブな性格に次第に惹かれていく。

しかしヘリがウノの別人格だと知ったジュヨンは、深い絶望感を味わう。ウノに対して自分の気持ちを切々と訴えるジュヨンだが、ここでカン・フンが圧巻の演技を見せる。筆者はこの時のカン・フンの悲し気なまなざしが忘れられない。

この作品ではシン・ヘソンの2役の演じ分けが素晴らしいと称賛されているが、憂いのある男性を演じるとカン・フンは本当に上手いと感じた人も多かったのではないだろうか。将来がますます楽しみな俳優だ。

ライター/咲田真菜

『私のヘリへ ~惹かれゆく愛の扉~』U-NEXTで独占配信中

『ドクタースランプ』

『ドクタースランプ』

何かと忙しい日々に心がざわざわとしていた時に出会ったドラマ『ドクタースランプ』が、今年配信された韓国ドラマの中でも印象に残っている。

心を壊し休職中の麻酔科医ハヌル(パク・シネ)と美容医療界で名を轟かせていたが、ある事故がきっかけでどん底に落とされたジョンウ(パク・ヒョンシク)が高校卒業以来の再会を果たし、愛を超えた絆で結ばれていく物語だ。

人の心は、家族や友人との関係、仕事、日常生活で起きる些細な出来事で感じたことが複雑に絡み合っている。その絡まったものを一つ一つ辿っていく作業=本来の自分と向き合う時間を作る大切さを本作は教えてくれる。

筆者は、このドラマを観ている時間だけでも、ハヌルとジョンウと一緒に悩んで、振り返って、前へ進もうとしていたような気がする。視聴者を置き去りにせず共に歩もうとしてくれる、そんな新鮮さが今年おもしろかったドラマだと思った理由の一つだ。

また、ジョンウの事故が絡む後半には不穏な空気感も増してくるため、人間ドラマ・恋愛・ミステリー……と、たくさんの味を楽しむこともできる。ジョンウを陥れた犯人は一体誰なのか、ハヌルとジョンウは自分らしく再出発することができるのか。未来への不安とそれに向き合おうとする姿、そして自分に正直になれなかった過去ともしっかりと和解し、歩んでいく二人に勇気をもらえるに違いない。

ライター/伊藤万弥乃

『ドクタースランプ』はNetflixで独占配信中。

『Missナイト&Missデイ』

韓国ドラマ『Missナイト & Missデイ』

日照時間はおばさん、日没後は20代!? 努力家なのに運悪く就活に失敗し続ける20代のミジンは、ある朝何故か50代の姿になってしまった。しかし日が沈めば元に戻るということが判明。ミジンは行方不明の叔母の名をこっそり拝借し、おばさんの姿の間はイムという名で生活開始。念願の就職にまで成功し働き始める!

見た目はおばちゃんだが中身はハイスペックな20代。可愛いピンクのヘルメットで元気に自転車通勤。シャーッと滑走し、ウキウキでアイドルダンスを踊り、“アコ(アイスコーヒー)”片手に超高速タイピングだってこなしちゃう、スーパーインターンの誕生である。

昼の姿イムを『パラサイト』や『椿の花咲く頃』のイ・ジョンウンが、夜の姿ミジンを人気K-POP女性グループApinkのウンジが務め“二人一役”が大きな話題に。キュートさを爆発させたおばさんイムと、サバサバしたかっこいい魅力のミジン、どちらも愛さずにはいられない。『皇后の品格』などで人気の高いチェ・ジニョクは堅物仕事人間ケ検事を好演。イムとは信頼関係、ミジンとはロマンスが芽生えそう? ドタバタな可愛さに加え、ハラハラのサスペンス要素からも目が離せない。

(ライター/江坂塔花)

『Missナイト&Missデイ』はNetflixで独占配信中。

『照明店の客人たち』

照明店の客人たち
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薄暗い路地にある照明店を中心に繰り広げられるホラー×ヒューマンドラマ『照明店の客人たち』。本作の原作は『ムービング』のカンフルで、本作でも脚本を手掛けている。

暗すぎる路地にお化けが出そうと怖がる高校生のヒョンジュ(シン・ウンス)は、チュ・ジフン演じる照明店の店主から「奇妙な人は、よく観察すれば人間かどうか見抜ける。話してしまったらおかしいことに気づかないふりをするんだ」とアドバイスを受ける。その後、ヒョンジュは"奇妙な人"に遭遇してしまい…。

おかしい人たちが徐々に人間離れした姿に変貌する姿はしっかりホラー! 前半はかなりホラー感が強いのだが、中盤でその正体が明らかになってからは恐怖が別の感情に変わる…。散りばめた伏線回収の美しさに、カンフル作品への信頼度がまたグッと上昇した。登場人物の多い群像劇だが、それぞれのストーリーを丁寧に描いており満足感が高い。

そしてラストは『ムービング』のあの場面とリンクするサプライズ! マーベル・シネマティック・ユニバースのフェーズ1あたりさながらのワクワクを感じた。先日シーズン2の更新が発表された『ムービング』だが、『照明店の客人たち』のキャラクターも登場するのかも? と今後のカンフルユニバースへの期待が膨らんだ。

(編集部/Lena

『照明店の客人たち』Disney+(ディズニープラス)で独占配信中