『餌【ミッキ】』物語後半は予想を裏切る展開の連続!事件の真相を暴いたチャン・グンソクがたどり着く結末とは【鑑賞コラム】

U-NEXTで全編独占先行配信中、DVDでは12月6日リリースの第2弾で完結する話題作『餌【ミッキ】』のレビューが到着!

死んだはずのカリスマ詐欺師を追い詰める!?緊迫感溢れる展開から目が離せない!

映画のようなスケールで描かれる本格クライム・サスペンス『餌【ミッキ】』。予測不能なストーリー展開とダークなタッチの映像で映し出される、見どころ満載の内容が見る者を圧倒する。チャン・グンソクが高い集中力で演じた刑事と、ホ・ソンテが怪演した詐欺師をはじめ、登場するすべてのキャラクターが丁寧に描き込まれ、群像劇としての面白さも十分。後半、より多彩な人物が入り乱れ、クライマックスに向けて物語は大きく動き出す。

ピースはすべて出そろった。数々の事件の真相とつながりに息を呑む

刑事ク・ドハンが追う不可解な連続殺人事件と、詐欺師ノ・サンチョンの主導により多数の被害者を生んだ過去の巨額の投資詐欺事件。一見接点のなさそうな二つの事件の陰には、警察上層部と権力者の不正があり、それが被害を拡大させたことまでが前半で示された。

中盤以降、バラバラに散らばったパズルのピースが少しずつ集まり、五里霧中だった一連の事件の真相がようやく明かされていく。最高に緊迫感に満ちている、その過程に注目したい。

韓国ドラマ『餌【ミッキ】』

警察上層部と「被害者の会」の人々。各自の思惑が絡み合う、群像劇としての面白さ

なかなか顔を合わせることのないク・ドハンとノ・サンチョンの間を繋ぐのが、かつて詐欺事件の担当だったドハンの上司や、サンチョンに騙された被害者たちだ。サンチョンが逃亡先の中国で死亡したとの発表を信じない「被害者の会」の人々は独自に彼の痕跡を追っている。被害者遺族で記者のチョン・ナヨンもその一人。

殺人事件の解決に執念を燃やすドハンは、詐欺事件への関心が薄く、当初ナヨンの切実さを理解しようとせず何かと衝突する。だが、そんなドハンも事件の捜査が進むうちに、詐欺の被害者たちの苦しみを知って考え方を変えていく。ドハンの変化を実感させるシーンは大きな見せ場となっている。

韓国ドラマ『餌【ミッキ】』

後半描かれる「被害者の会」のメンバーそれぞれの事情と、彼らが織りなす人間模様もドラマを盛り上げた。ナヨンの母をはじめ、殺人事件の容疑者となるビョンジュン、ナヨンが兄のように慕っていたジェファンらメンバーが詐欺にはまった背景と、その後たどった悲惨な状況に胸を痛めずにはいられない。

ただし、彼らも決して一枚岩とは言えず、サンチョンの追跡を巡って対立し争いもする。さらに被害者の中から、サンチョンのように騙す側に回る者が出現するという事態は衝撃的。人間誰しも完全な善人も悪人もいないとわかっていても、欲望に振り回されて傷つけ合う人々の姿に身をつまされるばかりだ。

韓国ドラマ『餌【ミッキ】』

イ・エリヤ、パク・ミョンフン他、実力派キャスト陣が仕上げた秀逸なサスペンス

そんな被害者たちのドラマに没入できるのは、彼らを演じた俳優たちのリアルな演技のおかげ。特に、ナヨン役のイ・エリヤは綺麗で華やかなイメージを脱ぎ捨て、詐欺被害者の癒えない苦しみを好演した。

また、サンチョンの側近役を務めた個性派パク・ミョンフンとオ・ヨナの存在も見逃せない。それぞれ映画『パラサイト 半地下の家族』やドラマ『シグナル』など、多くの作品でクセのある役を演じてきた二人が、一筋縄ではいかない人物を演じて目を奪う。

実力派俳優が多数集結しサスペンスとしてはもちろん、ヒューマンドラマとしても一級品となった本作。ドハンが突き止めた真実とは? たどり着いた結末とは? 最後まで一瞬たりとも目が離せない!

韓国ドラマ『餌【ミッキ】』

文:小田香

韓国ドラマ『餌【ミッキ】』視聴方法

『餌【ミッキ】』は、U-NEXTで独占先行配信中。DVD-SET1は発売中。DVD-SET2は2023年12月6日(水)に発売!

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