【韓国 映画 おすすめ】で検索した人に届け!シネフィル編集部員ガチレビュー | Netflix・アマプラなどで配信中

おすすめの韓国映画を探している人に向けて、海外ドラマNAVIのシネフィル(=映画通、映画狂)編集部メンバーによるガチレビューをご紹介。

好みに合う韓国映画を見つけよう

この記事で紹介するのは、多くの人に愛され、そして評価されてきた、いわゆる定番のおすすめ韓国映画ばかり。どの作品も素晴らしいのだが、自分の好みに合うかどうかはまた別の話。そこで参考にしたいのが、レビューだ。

今回、あらすじやレビューを執筆したのは、海外ドラマNAVI編集部の自称シネフィルメンバー。大学時代に映画研究のゼミに所属していた生粋の映画好きである。ネタバレしないように配慮しつつ、独自の視点で見解を述べさせてもらった(余計なおしゃべりも混ざっているのはご愛嬌)。映画を見る約2時間は、1日の12分の1にあたる時間。そんな貴重な時間を無駄にしないためにも、正直レビューを参考に、慎重に作品選びをしてもらいたい。

定番のおすすめ韓国映画10選【レビュー付き】

【韓国 映画 おすすめ①】私の頭の中の消しゴム

あらすじ

建設会社の社長令嬢であるスジンは、不倫の恋に破れ、周りからの風当たりに居たたまれなさを感じながら過ごしていた。そんなある日、スジンはひったくりに遭ったところをある男に助けられる。その男は、前に一度コンビニで見た男だった――。

工事現場の現場監督として働くチョルスとスジンは、この偶然の再会から瞬く間に恋に落ち、やがて夫婦となった。幸せな結婚生活を送る二人だが、次第にスジンの言動や生活に些細な違和感が生じ始める。スジンは、若年性のアルツハイマーに侵されていたのだ。スジンの中のチョルスと愛し合った日々の記憶は、ゆっくりと薄れていってしまう。

レビュー

物語の内容はあらすじの通りという感じで、恋人のどちらかが記憶をなくしてしまうという展開の映画は、それなりによくあるので、目新しさはないかもしれません。ただ、この作品の魅力はやっぱり主演のお二人。ヒロインのスジンを演じるのは、『愛の不時着』や『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』でお馴染みのソン・イェジンで、本作に出演しているのは21~22歳の頃かと思います。可憐だけどすごく儚い感じがまさにぴったり。対するチョルス役はチョン・ウソン。この映画の時が一番カッコよかったんじゃないかな。‟無骨な男“という感じですが、可愛いスジンには甘々。そんなハマり役二人が演じるカップルだからこそ、この映画の切なさが際立っているのだと思います。見ているこっちまで胸がギュウンとなって辛すぎる…けど愛し愛されたぬくもりは確かに二人の中には残っているはず。

『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』や『きみに読む物語』で号泣したことのある人(私です)は、本作でもきっと号泣するでしょう(私はもちろん号泣でした)!

配信先:Netflix、U-NEXT、アマプラ、Hulu

【韓国 映画 おすすめ②】バレリーナ

あらすじ

元警護員のオクジュには、ミニというバレリーナの親友がいた。しばらく会えていなかった二人だが、ミニから急な呼び出しを受けたオクジュは、彼女の自宅に向かう。静かな親友の自宅でオクジュが見つけたのは、自ら命を絶ったミニの亡骸。トウ・シューズに添えられた「復讐して。できるよね」というメッセージと、その下に記された謎の住所を頼りに、オクジュは親友の仇を討つべく、危険な戦いに身を投じていく。

レビュー

ストーリーはすごく淡々と進んでいきますが、美術や音楽にこだわりが感じられる作品です。激しいアクションは見どころのひとつだと思いますし、血が飛び散るような残酷なシーンもありますが、じめじめせず、全く重たく感じません。映像のおしゃれさ・かわいさもあるからでしょう。若干ですが、『ヘルタースケルター』とか、蜷川実花さんの世界観に通じるものも感じます。

‟女性版ジョン・ウィック“なんて言われていることもあり、アクション好きにはもちろんおすすめ。『ニキータ』とか、そんな雰囲気もあるかもしれません。

Netflixで見る!

【韓国 映画 おすすめ③】カンナさん大成功です!

あらすじ

カンナは美しい声を持った女の子。その歌声は人々を魅了することができるのに、身長169cmにして体重95kgという体型ではステージに立てないと、スター歌手の舞台裏で声をあてるゴーストシンガーに甘んじていた。裏方の仕事を頑張れていたのは、想いを寄せる音楽プロデューサーのサンジュンの存在があったから。しかし、そんな彼の本音は酷く冷酷なものだった…。

今の状況を変えたい。歌手としてステージで歌いたい。サンジュンのハートを射止めたい。カンナは、一念発起し全身整形を決意。お小遣い稼ぎにやっていたテレクラの客である整形外科医と取引をして手術をしてもらい、完璧美女に生まれ変わった!

レビュー

主演のキム・アジュンが、特殊メイクで95kgの体型のときのカンナと、整形手術後のカンナの両方をキュートに演じています。複雑なストーリーはないですし、コメディ色の強い作品ではあるのですが、終盤は不覚にもホロっとさせられます。音楽も魅力的で、最近のK-POPに慣れていると‟一昔前”感は否めませんが、「マリーアー!アヴェマリーアー」というサビが、キャッチーでクセになります。

実は、山田優主演で日本版も製作されています。が、こちらはあまりお勧めしません(いち個人的の意見ですが…)。

配信先:U-NEXT、アマゾンプライム

【韓国 映画 おすすめ④】哭声/コクソン

あらすじ

谷城(コクソン)という田舎の村で、村人が自身の家族を惨殺するという事件が立て続けに発生する。不思議なのは、犯人たちにそれらしい動機はなく、みな一様に虚ろな目つきをして、肌に湿疹ができていること。不可解な点があまりに多く、この事件には山中で暮らす謎の日本人が関わっているのではないかという噂が広がっていた。

そんなオカルトじみた話などまるで信じていなかった警察官のジョングだが、捜査にあたる中で、自分の娘に何か恐ろしいことが起き始めていることに気づく。

レビュー

私が韓国映画と言われて真っ先に思い出すのが、この『哭声/コクソン』。とにかく怖いです。めちゃくちゃ痛グロい描写とか、突然の大きな音でびっくりさせるとか、そういう感じではないのに、私の中では、ソフトにトラウマ(なんだそれ)になっている作品です。キムチがべちゃっとなっているのとか、ものすごく嫌な感じの表現が秀逸すぎるんです。何度も観たいとは思えないけど、とても大好きだし、やっぱり韓国映画といったら私の中では絶対『哭声/コクソン』です。

一番怖いのは、子役の演技。見てもらえれば分かりますが、怪演としか表現の仕様がありません。日本の演技派子役と言えば芦田愛菜ちゃんですが、彼女でもここまでの演技はできなかったのでは…。そんな‟韓国の芦田愛菜“ことキム・ファンヒ(ファニ)ちゃんですが、調べてみると今でも女優をやっているようです。可愛らしい女性に成長していて、ちょっと安心しました。

配信先:U-NEXT、アマゾンプライム「韓国ドラマ・エンタメChannel K」

【韓国 映画 おすすめ⑤】82年生まれ、キム・ジヨン

あらすじ

ジヨンは、優しい夫と可愛い娘を持つ専業主婦。しかし、最近はどうも様子がおかしい。例えば、義実家に帰省した際には、義母に向かって「正月くらいジヨンを私の元に帰してくださいよ」と、まるで実母が乗り移ったかのような口ぶりで言い放つ。その状態のときの記憶は彼女自身には全くないようで、本人も「ちょっと疲れているだけ」と深刻には捉えていない。そんな妻を心配したデヒョンは、一人精神科に相談に行くことに。

レビュー

なんだかとっても共感して、映画館で号泣した記憶があります。映画館を出て、その足で本屋さんに行って、原作本も買って帰りました。私自身は仕事を辞めていないし、夫もいないし、子どももいないし、そもそも過ごした時代も国も違う。ジヨンとはまるで状況が異なるのですが、彼女の気持ちがすごく分かる気がしたんです。
といっても、よく見かける「女性の生きづらさが描かれているから共感した」という感想とは少し違います。実際にそういうことを描いた作品ではあると思うのですが、この作品を女性だけのもののように捉える必要はないのではと、私は思っています。誰にだって生きづらさを感じることはあるし、私たちはそういう社会で生活し、そういう社会を作っている一員なのだから。

配信先:U-NEXT、アマゾンプライム、Hulu

【韓国 映画 おすすめ⑥】完璧な他人

あらすじ

美容整形外科医のソクホと精神科医の妻イェジンの新居である高級マンションに仲間たちが集まった。弁護士のテス、新婚ほやほやのジュンモはソクホの幼馴染で、それぞれの妻同士も交流がある。もう一人の幼馴染だるヨンベだけはバツイチ。新しい恋人を連れてくるというはずが、一人での参加となった。

再会を喜びながら楽しい時間を過ごしていた7人。何気ない会話の流れから、とあるゲームをやろうということに。それは、それぞれのスマホにメッセージが届いたら声に出して読み上げ、電話がきたらスピーカーで応答する、というもの。次々に鳴り響くスマホのせいで、和やかな食卓は修羅場へと一変していく。

レビュー

オリジナルはイタリアの『おとなの事情』というタイトルの映画で、ギリシャ、スペイン、トルコ、インド、フランス&ベルギー、ハンガリー、メキシコ、中国、ロシア、ポーランド、ドイツ、アルメニア、スロバキア&チェコ、ベトナム…などなど、あちこちでリメイクされています(日本では『おとなの事情 スマホをのぞいたら』というタイトルで製作されていますが…これは正直う~ん、という感じ)。

これだけリメイクされていることから、ひとつ確実に言えるのは、脚本がとにかく優れているということ。もうこれは、天才的な発明だと思います。ほぼワンシチュエーションのため、演劇としても成り立つんじゃないかな。(「12人の優しい日本人」みたいな感じになりそう…!)

韓国版リメイクは、俳優陣の演技が光るのと、嫌なギスギス感が本家よりも若干強めなのに軽やかさもあって、数あるリメイクの中でも成功例に分類されるのではと思います。‟完璧な他人“というタイトル付けもなかなか面白いですよね。

配信先:U-NEXT、アマプラ「プラスGAGA」

【韓国 映画 おすすめ⑦】はちどり

あらすじ

小さな餅屋を必死に切り盛りする両親と兄とともに集合団地で暮らす14歳の女の子、ウニ。別の学校に通う親友と遊んだり、男子や後輩女子とデートをしたりして過ごしていたが、どこか孤独な思いを抱えていた。ある日、通っていた漢文塾に新人教師としてヨンジがやってくる。ヨンジと言葉を交わす中で、ウニは次第に心を開いていくが…。

レビュー

静かながら、エネルギーを感じる作品。時代背景、ウニの属する共同体、キャラクターたち、すべてが丁寧に描かれていて、彼女の感じる生きづらさが、ありありと浮かび上がってくるようです。14歳の女の子には酷な、色々な理不尽の被害者でもあるウニですが、彼女だって周りの人を傷つけるような行動をとってしまうこともある。この映画は、そうした世界の甘くない部分を冷静に描写しつつも、家族や友人、知り合いなどとの間に生まれる温かさや、生きることの希望を訴えかける、すごく前向きな内容のように感じました。

私は脚本の書き方を勉強していたことがあります。そこで、時代背景、街の描写、キャラクターの描き方など、色々なことを学びました。――なんで急にこんなことを言ったかというと、この『はちどり』は、その「描写」関連で教わったことのお手本のような作品だなと思ったから。優等生な作品だと思うので、誰でもきっと何かしら感じるものがあると思います。

配信先:Hulu、アマゾンプライム(※レンタル・購入)

【韓国 映画 おすすめ⑧】ビューティー・インサイド

あらすじ

ウジンは、18歳のときに信じられない病気を発症する。その症状は、目覚めるたびに自らの姿が変わってしまうという世にも奇妙なもの。男、女、老人、子ども、外国人…。ごく普通の生活を送ることは難しいが、成長した今は、才能とインターネットを活かして家具デザイナーとして活躍している。

アンティーク家具店を訪れたウジンは、そこで働くイスに一目で恋に落ちる。‟告白する見た目”になる日を待って、ついにデートに誘うことに成功。すぐに親密になった二人だが、同じ姿でいるため三日間徹夜をしたウジンは、うっかり電車で寝てしまい、起きると全く別の顔になっていた。

レビュー

「どんな設定だよ?!」というツッコミ待ったなしの、あまりに突飛な設定なのでリアリティを感じられないのではと思いきや、ぐいぐい物語に引き込んでいってくれます。とはいえ、「でもやっぱ小汚いオッサンの見た目のときにキスするのとか嫌だよな…」とか、ふと冷静になってしまうと楽しめないかもしれないので、ぜひ大らかに受け止める気持ちを持って観るのをおすすめします。その方が、切ないラブストーリーを存分に味わえるはず。

恋愛リアリティショー『ラブ・イズ・ブラインド』を見たときに、なんとなくこの作品のことを思い出しました。イスからしたら、「『ラブ・イズ・ブラインド』なんか甘っちょろいわ!」という感じでしょうが…。でもそもそも、イスってウジンの何が好きなのでしょうか。よく、「付き合う人は見た目で選ぶ?中身で選ぶ?」というしょうもない二択が恋バナの議題として挙がりますが、そこってそんなに切り離して考えられるものだとは、私は思えないんですよね…。

配信先:Netflix、U-NEXT、Hulu

【韓国 映画 おすすめ⑨】猟奇的な彼女

あらすじ

地下鉄に乗っていた大学生のキョヌは、泥酔した美女が乗客の頭上に嘔吐するところを目撃。彼女がその場で倒れる直前にキョヌを見つめて「ダーリン」とつぶやいたせいで、居合わせたたちから彼氏と間違えられ、仕方なく彼女を介抱することになってしまう。

出会いは最悪。その後も彼女はやりたい放題で、振り回されっぱなしのキョヌ。とはいえ、なんだかんだで彼女と一緒にに過ごす時間を楽しんでもいた。そんな猟奇的に幸せな時間は、彼女の両親が持ってきたお見合い話によって、終わりを告げることに。

レビュー

最初にこの映画を見たときの印象は、「ゲロがリアルすぎる」。いくら美女とはいえゲロは勘弁してくれ~と眉をひそめてしまいました。二人の恋物語のスタートがゲロからなうえに、前半は「さすがに人としてどうなのか?」と思うレベルで酷い彼女の大暴走ばかりが際立って、感情移入とかキュンキュンするとか、私はできなかったのですが、結末にかけての物語の収束の仕方がなかなか綺麗です。とっ散らかったドタバタコメディかと思いきや、意外にもしっかりと作られた恋愛映画だったという印象です。

『猟奇的な彼女』も、『完璧な他人』同様に色々なバージョンでリメイクされている作品。私は他のバージョンを観たことはないのですが、日本版リメイクのドラマはいつか見ようと思っています。というのも、映画『怪物』でカンヌ国際映画祭の脚本賞を受賞した坂元裕二さんが脚本を務めているから。評価はまちまちのようですが、坂元流『猟奇的な彼女』、結構気になります。

配信先:U-NEXT、アマゾンプライム

【韓国 映画 おすすめ⑩】オールド・ボーイ

あらすじ

酔っぱらって交番のお世話になっていたオ・デス。迎えにきてくれた友人に介抱されながら、家で待つ妻と子どもに、公衆電話から連絡を入れた。しかし、今日が誕生日だというデスの娘に友人が「おめでとう」と話している数秒の間に、デスは忽然と姿を消してしまう。

気が付くと、デスは狭く窓のない部屋に監禁されていた。TVはあるものの、外部との交信は完全に遮断されている。食事にはデリバリーの餃子が用意されており、寝どこもあり、定期的に着替えや散髪なども行われる…。気が変になりながらも、テレビで様々な知識を付け、体を鍛えて時間を過ごす日々――。一切の理由が明かされぬまま15年の月日が流れたある日、デスは突如解放された。復讐を誓う彼に待ち受ける運命とは?

レビュー

クエンティン・タランティーノ監督が審査員長を務めた第57回カンヌ国際映画祭でグランプリを獲得した作品。‟タランティーノが絶賛”という宣伝文句をよく見かけますが、彼の作品と非常に近いものを感じます。『キル・ビル』をはじめ、彼の描くキャラクターたちも、物語上での欲求の主軸が「復讐」に置かれていることが多いですしね。

途中「意外と軽快な作品だな」と思う瞬間がありましたが、やっぱり結論ヘビーな作品だったと思います。脚本や設定に関しては、「さすがに無理あるよ」と思う部分もありますが、そんなことを詰めるのが野暮だと思えるくらいに、カットやシーンの割り方、映像そのものの面白さ、キャラクターの魅力とキャスト陣の表現力、どれをとっても、すごく質の高い作品だったと思います。金槌の反対側で歯を抜いて拷問するシーンは流石に目を背けたくなるので、バイオレンスが苦手な人にあえておすすめはしませんが、そこを乗り越えられる人には絶対に見てほしい一本です。

配信先:U-NEXT、Hulu

(海外ドラマNAVI)

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