第2の『ペントハウス』を目標に制作された『スポンサー~破滅の足音~』欲望×男女の愛憎ロマンス【レビュー】

韓ドラ歴約20年の韓ドラライターが、欲望にまみれた男女の愛憎を描いた痴情ロマンス作品『スポンサー~破滅の足音~』をレビュー!

目指したのは“感情ジェットコースタードラマ”

『スポンサー~破滅の足音~』は、2022年2月23日~4月6日にケーブルチャンネル「IHQ」の開局記念ドラマとして、‟第2の『ペントハウス』“を目標に制作された、お金や愛を手に入れるため欲望にまみれた男女の愛憎を描いた痴情ロマンス作品。

目標とされた『ペントハウス』シリーズは、歴代最高のマクチャンドラマ(韓国でのドロドロ愛憎劇の呼び名)として、驚異的な視聴率を獲得したのが記憶に新しい。超富裕層たちのドロドロした愛憎劇と、度肝を抜かれる奇抜な登場人物たちが繰り広げるありえない展開の連続に、一度見だすと止められない“感情ジェットコースタードラマ”として視聴者を熱狂させた。

そんな‟『ペントハウス』を目標として制作“されたと謳っているだけあり、本作でも男女の愛憎劇が繰り広げられる。

「人生とは欲望だ」――物語の始まりは強烈なモノローグ

物語は、コスメ会社のCEOを務める主人公のハン・チェリン(ハン・チェヨン)のモノローグから始まる。

「なぜ人生に意味をもたせようとするのか」
「人生とは欲望だ、意味などない、私の欲望がここから始まった」

韓国ドラマ『スポンサー~破滅の足音~』ハン・チェリン(キャスト:ハン・チェヨン)

チェリンは、美貌と若さを活かしてグループ会社の会長であるパクにスポンサーになってもらい、CEOの座へとのし上がって来たのだった。尽きることのない欲望と野心を持つチェリンの前に、ある日、元サッカー選手で30歳のヒョン・スンフン(ク・ジャソン)が現れる。スンフンは、チェリンがメンターを務める男性モデルのサバイバルオーディション番組に応募をするも、その年齢がネックとなって審査員たちから見向きもされない。それでも引き下がらず、「30歳でモデルを目指してはいけないのか」と食ってかかる姿に興味を持ったチェリンは、彼のスポンサーとなるべく、スンフンを自宅に誘うことにする。

チェリンと肉体関係を持ち、彼女のバックアップによって瞬く間にスターダムを駆け上っていくスンフン。しかし、彼には別居中の妻で女優のパク・ダソム(チ・イス)と病気の子供ジニョン(ソ・ウジン)がいた。妻子の存在を知り、なおさらスンフンを自分のものにしたくなったチェリンは、ダソムを呼び出すと、ジニョンの治療費を自分が払う代わりにスンフンと離婚をするように迫る。金策に困るダソムは、チェリンの望み通り、彼との離婚を承諾。ダソムにもまた、パク会長の息子のデビッド(キム・ジョンテ)というスポンサーの存在があったのだった。

韓国ドラマ『スポンサー~破滅の足音~』パク・ダソム(キャスト:チ・イース)

欲望に翻弄される登場人物とキャストの熱演に注目!

主人公のチェリンを演じるハン・チェヨンは、2000年に映画『REC【レック】』でデビュー後、同年『秋の童話 オータム・イン・マイ・ハート』でドラマ初出演を果たし、主役のソン・ヘギョをいじめる悪女役を演じる。その後、『花より男子〜Boys Over Flowers』『キレイな男』などで、キャリアを重ねてきた。韓国ではその容姿とスタイルのよさから、「リアルバービー」と呼ばれることも。本作では、不幸な生い立ちを持ちながら、スポンサーを得て欲望のままに生きつつも、孤独に愛を求めるチェリンとして、尽きぬ欲望と幻を追い求める姿を演じて見せた。

チェリンに魅入られ人生が変わっていくスンフンを演じたのは、188㎝の長身でモデル出身のク・ジャソンだ。2017年ウェブドラマ『The Blue Sea(原題)』で俳優デビューを飾った後、2018年『ミスティ~愛の真実~』、2019年『初対面だけど愛してます』などに出演し、キャリアを重ねる。『初対面だけど愛してます』では、キム・ヨングァン演じる主人公ド・ミニクの幼なじみのキ・デジュ役として、ミニクとの友情関係や、サブカップルを好演。打って変わって本作で任されたのは、欲望のままに生きる男。関わる女性たちに対して、あたかも自分が被害者であるかのような言動を繰り返すスンフンだが、それが回を追うごとに変化していき、そのさまが彼の成長をよく表していた。

韓国ドラマ『スポンサー~破滅の足音~』ヒョン・スンフン(キャスト:ク・ジャソン)

この物語の中で言う「スポンサー」とは、一種の愛人契約のようなパトロンを指す。パク会長の鳥かごから抜け出るべく画策する中で、新たなスポンサーを見つけるチェリン。スポンサーに翻弄され、まさにジェットコースターのように栄光と転落を行き来するスンフン。登場人物たちは、お金や地位と引き換えに肉体関係を結んでいく。

その中で、スポンサーを持たないイ・ソヌの存在にも注目したい。カメラマンのソヌは、パク会長に父のコスメ会社を奪われ復讐しようとするのだが、そこにチェリンとスンフンが絡んで、複雑な愛憎劇が繰り広げられる。チェリンとソヌは、互いに相手を自分の虜にしようと駆け引きをするうちに、強く惹かれ合っていく。ほとんどすべてのキャラクターが、とんでもない事態に陥っていく本作の中にあっても、このソヌが一番大変な出来事に見舞われるといっても過言じゃないだろう。

ソヌを演じたイ・ジフンは、2012年にKBSの『学校』シリーズ『学校2013』でドラマデビュー。その後、『新米史官ク・ヘリョン』『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』など話題作に出演。IUも絶賛する美声が特徴だ。本作では、復讐心を抱きながら、思わぬ運命に翻弄されていくカメラマンのソヌを、静謐さと憎悪、そして愛情の交じり合った演技で魅せた。

韓国ドラマ『スポンサー~破滅の足音~』イ・ソンウ(キャスト:イ・ジフン)

タイトルにある‟破滅の足音“を引き寄せるのは一体誰なのかを想像しつつ、物語の行く末を見届けてもらいたい。

また、そんな最終話の最後の最後には、一服の清涼剤のようなキャストたちのNGシーンも公開される。ぜひ、エンディングのあとまでしっかりお見逃しなく…!

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Photo:『スポンサー~破滅の足音~』©iHQ. ©victorycontents.