『オクニョ 運命の女(ひと)』特別番組取材レポート

韓国時代劇の名匠イ・ビョンフンの最新ドラマ『オクニョ 運命の女(ひと)』がいよいよ4月2日(日)からNHK BSプレミアムでスタートする。放送に先駆けて同作の魅力を紹介した特別番組「オクニョ 放送直前スペシャル」が韓国ソウルで収録された。日本からNHKの徳永圭一アナウンサー、鈴木あきえ、北陽の虻川美穂子がドラマを徹底解剖するため韓国へ。ゲストに主人公オクニョ役のチン・セヨン、囚人ユン・テウォン役のコ・ス、オクニョの育ての父チ・チョンドク役のチョン・ウンピョが登場し、ドラマの魅力から撮影の裏話までたっぷりと語ってくれた。

ドラマは朝鮮王朝時代、典獄署(チョノクソ)という監獄で生まれ育った少女オクニョが幾多の困難を乗り越え、母の死の秘密を解き明かしていく本格時代劇。天賦の才能に恵まれ、その知恵と知識、そして類いまれな身体能力を武器に宿敵に立ち向かうオクニョというヒロインの人生を鮮烈に描いた注目作だ。

番組のゲストとして最初に登場したのはオクニョ役のチン・セヨン。ドラマのイメージとはガラリと違った現代的な美女に日本人出演者も驚きの声。まだ23歳という年齢には虻川たちもビックリ。そんな反応に「本当の年齢を聞くと、みんな驚くんです」と茶目っ気たっぷりに笑うセヨン。どんな質問にもハキハキと答える彼女は、オクニョにも通じる賢さが感じられた。権力者ユン・ウォニョン役のチョン・ジュノが彼女の暗記力のすごさをインタビューで語っていたが、それも納得してしまうほど、セヨンは当意即妙な受け答えで、終始にこやかに番組を盛り上げていた。

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本作にハマっているという虻川は幾多の困難にも凛として立ち向かうオクニョのキャラクターを絶賛。そういった部分を演じるセヨン本人も気に入っていたようで、オクニョの堂々とした姿が好きだったと語る。「オクニョを演じながら自分もスカっとしたところがあり、彼女の堂々とした部分に近づきたいと思いながら演じていた。封建的な朝鮮時代に生きながら、堂々とどんなことでもこなしてしまうオクニョは、現代女性も共感できる女性」だと語る。そんな堂々としたオクニョを演じたセヨンだが、実は「まだ恥ずかしくて本編が見られない」と打ち明ける。「自分が演技しているのを見るのが慣れないので、家では布団に隠れて見ている」という可愛らしい一面をのぞかせた。

オクニョとの共通点を聞かれ、明るくて前向きなところが似ていると語るセヨン。この放送直前スペシャルの収録中も常に自然体のまま笑顔でいるところからも、オクニョとの共通点が見て取れる。そんな彼女は撮影現場でもムードメイカーだったと多くの共演者が語っている。オーディションでも体力には自信があると言い、どんな質問にも「自信があります!」とアピールしたセヨン。実際には自信満々でなく半々な心境だったと言うが、ここぞという時に堂々と自分をアピールできるその姿勢もまた、オクニョに通じる魅力だ。ただしアクションシーンは大変で、「撮影の4ヵ月前からアクションスクールで練習を重ねたけれど、それでも刀の扱いは大変だった」とか。そんな苦労をみじんも感じさせない華麗なるアクションシーンもドラマの大きな魅力の一つだ。

賢く、身体能力にも恵まれた天才オクニョを見事に演じきったセヨンのことをイ・ビョンフン監督も絶賛する。「熱意があり、撮影に渾身の力を注ぐ俳優に出会うことこそ幸せ」と語る監督は、『チャングムの誓い』のイ・ヨンエ、『トンイ』のハン・ヒョジュと同じく、セヨンにもその情熱が感じられ、全ての期待に応えてくれたと満足げに語る。撮影が終わった今も頻繁に連絡を取り合っている彼女のことを、素晴らしい俳優であり、素直で謙虚で礼儀正しい女性だと褒めちぎる。そんな監督の絶賛コメントに恥ずかしそうに聞き入るセヨン。常に味方であると感じさせてくれた監督に深く感謝していたが、水恐怖症なのに水責めの拷問シーンを演じた時だけは、「これが最後だと言っていたのに、さらにボーナスだと言ってもう一回やらされた。その時だけはちょっとだけ嫌いになった(笑)」と告白する。

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そんな苦労もありつつ、単独主演は初というセヨンを監督とともに盛り上げていったのが共演者たちだ。新たなゲストとしてユン・テウォン役のコ・スが登場すると、日本人出演者はそのイケメンぶりに感嘆の声をあげていた。人気俳優として映画・ドラマで長く活躍するコ・スだが、時代劇は初挑戦。時代劇の名匠イ・ビョンフンの作品に興味があったそうで、「どういう経験になるのか知りたかった」と語る。イ・ビョンフン監督作は長編になるため、撮影期間も8~9ヵ月にわたり、ハードな日々が続くことで有名だが、覚悟していたとはいえ、「やっぱり大変だった」と苦笑い。アクションシーンも多かったので「筋肉痛やけがはいつもあった」と語る。一見明るくたくましいが、実は陰のあるテウォンというキャラクターを演じることについては、「長いスパンのドラマなので、テウォンの心は少しずつ表現していこうと思って演じていた」と言うだけに、徐々に明らかになるテウォンの心の機微にも注目だ。

ドラマでは互いに密かに思いを寄せるオクニョとテウォンだが、セヨンはもともとコ・スのファンで、相手役が彼だと知って驚いたとか。一方のコ・スも以前セヨンが出演していたドラマを見ていて、いつか一緒に仕事したいと思っていたそうで、「本当に本当に大変だったと思う」と、ハードな撮影でもいつも笑顔で頑張っていた彼女をいたわっていた。典獄署のセットを案内したVTRを見ながら当時のことを思い出して何やら語り合う様子にオクニョとテウォンの姿が重なり、非常に良いケミストリーが感じられた。

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さらにチ・チョンドク役のチョン・ウンピョが登場すると収録現場は一層和やかムードに突入。ドラマとは全く違う、黒のレザージャケットにジーンズという姿に番組出演者が驚くと、「もともと都会的なイメージなんですよ」と笑わせる。オクニョを演じたセヨンのことは「本当の娘と思って演じていた」と語り、セヨンの方も「現場ではお父さんと呼んでいて、撮影が終わってもうっかりメールにお父さんと書いてしまって、先輩と書き直した(笑)」と裏話を披露。すっかりリラックスムードになり、撮影現場の様子を撮ったVTRを見ながら3人で笑い合う。VTRの中でなぜか踊っていたことについても、「コ・スは黙って立っててもカッコいいけど、僕は黙ってると見えなくなるから」とおどけるウンピョにみんなも爆笑。その和気あいあいとした雰囲気からして、いかに本作のチームワークが良かったかが見て取れる。それはドラマの面白さにも確実に反映されていると言えるだろう。

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『オクニョ 運命の女(ひと)』
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