“REVOLUTIONARY”「革命的だ」という批評家の言葉に嘘はない。
決して、数多くのドラマを観ているわけでもなく、まだ手つかずの秀作はいくつもあることを白状した上で、それでも僕が渡米してからの7年間で、食指が動いて鑑賞してみた作品の中では、このドラマは群を抜く。
「最高」最高峰の出来映えの1本、と迷わず言える。観たかったドラマがここにある。
『True Detective』は、二人の刑事が事件を解決する、犯罪捜査のドラマ。そこまでは、どこにでもある設定だ。しかし、これまでにないほどの壮絶さと興奮で、事件が幕を閉じる。（尾崎英二郎）

全然パーフェクトじゃないけれど、これぞ私たちの日常ともいえる作品。自分、あるいは自分の周りにいる友人を眺めているかのような錯覚にも陥る。
本作は、ショートフィルムで脚本、監督の経験を積んできた若き鬼才レナ・ダナムが脚本、制作総指揮、主演を務めている。放送時点、レナは26歳。主人公たちと同世代の彼女だからこそ、ディテールに至るまで、“女性の実際のところ“を表現できたのかもしれない。
確かに問題作。でも、「こんな自分じゃだめだよなぁ、でもどうしたらいいかわからないなぁ」と、静かにもがきながら、ゆっくり成長していく彼女たちの姿に愛おしさを覚える作品でもある。（伊藤ハルカ）

大ヒットドラマ『LOST』の製作総指揮を務めたデイモン・リンデロフの新作ドラマで、トム・ペロッタの同名小説を原作としており、世界人口の2％（約1億4千万人）が突如消え去った事件から3年後の世界を舞台に、残された人々の苦悩や葛藤を描くミステリー・ドラマになっている。謎が謎を呼ぶストーリーと先が読めない展開がリンデロフらしい独創的な世界観の中で描かれる。さらに『アルマゲドン』や『ロード・オブ・ザ・リング』三部作などの大作映画に出演してきたリヴ・タイラーがドラマ初出演を果たしたことでも話題を呼んでいる。この不思議な陰鬱の世界へ、あなたも巻き込まれてみることをオススメしたい。（編集部）

第66回エミー賞のTVムービー部門で最優秀作品賞を受賞した本作。1981年、世界で注目され始めたHIV感染およびエイズについて様々なウワサが流れたことで、ゲイの人々が周囲から嫌われ避けられていく様子が切実に描かれており、胸がしめつけられ切ない気持ちになりながら観ている者も勇気を与えられる作品である。特筆すべき点は、製作、監督を手掛けるライアン・マーフィーをはじめ、出演者のマット・ボーマー、ジム・パーソンズ、ジョナサン・グロフ、ジョー・マンテロ、B.D.ウォン…など、私生活でもゲイであることをカミング・アウトしている製作者や俳優が名を連ねていることだ。彼らにとって、非常に意義ある作品であることはもちろん、彼らが演じることで、ストーリーがより真実味を帯びている。（細田久実子）

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