SPECIAL 特集

この秋スタート!海外ドラマぶった斬り!

アメリカの新ドラマ、今シーズンはいかに!

アメリカでは、テレビファンにとって、9月(~10月初旬)は一年の始まりだ。カレンダーなら1月1日、一年生にとっては4月1日みたいなもん。新ドラマや新シーズンがスタートするのが、この秋なのだ。ここ数年は1月スタートの新ドラマも増えた。それでも秋は各ネットワークが、最も気を引き締めて臨む時期。現在、ホリデーシーズンに突入したアメリカでは、スウィープとよばれる11月の視聴率調査月間もほぼ終了、新ドラマの成績も確定してきた。『海外ドラマNAVI』では、この秋だけでも約30にものぼるという新ドラマをネットワークごとにご紹介。勝手に放送局「新ドラマ・ミシュラン」(もちろん星付き!)もお届けしよう。

NBC評価:★

かつてのTV界のキングも、今や歴史の浅いFOXに追い抜かれ、「振り向けばCW」状態(まだ大丈夫、念のため)。昨年の『HEROES/ヒーローズ』のヒットから、今年はお笑いスパイもの『Chuck』、時空間移動世直しもの『Journeyman』、サイボーグ美女リメイクもの『Bionic Woman』と、SciFi(SF)系ドラマをバラエティに富んで製作。特に『Bionic Woman』のCGはTVドラマとしては目を見張るものがある。じっくり応援したいものだ。もう一本、悟り系刑事もの『Life』は、裏番組の『CSI:NY』と視聴者がかぶるだけに苦戦中。

『Chuck』
頭の中に国家機密をダウンロードしてしまった男が、FBIに採用され、イヤイヤながらもヒーローに。

『Journeyman』
なぜか突然、過去に戻ってしまう能力を身につけた男の話。そこで事件を解決し、良い未来を作っていく。でもこんな罰ゲームみたいな能力、誰もほしくはないものだ。

『Bionic Woman』
仕組まれた事故?でサイボーグ化した女性が政府の任務を受けるド派手アクション。主人公のミシェル・ライアンより、敵役のケイティ・サックホフのほうが、人気があるらしい。ミシェル、ごついからなぁ。でも、ブロンド・ケイティに負けないで!

『Life』
無実の罪を着せられて服役していた元刑事が、解放後“禅”の境地で再び刑事として犯罪と向き合う。

CBS評価:★☆

この秋の新ドラマは、ラテン系ファミリーもの『Cane』とバンパイア探偵物語『Moonlight』のみ。犯罪ドラマばっかりのCBSにしては、チャレンジなチョイス。チャレンジしすぎて、失敗に終わったのがミュージカル調刑事もの『Viva Laughlin』。今シーズン、全ネットワークを通し、唯一の打ち切りドラマで、たった2回で終了してしまった。FBIや警察が硬派に活躍するドラマを作れば、ヒットは間違いないのかもしれないが、ネットワークとしてのバラエティもほしいところだろう。

『Cane』
マイアミが舞台のキューバ系ファミリードラマ。家族のためなら、どんな手も厭わないと誓った主人公を軸に展開する。

『Moonlight』
私立探偵はバンパイア。実は人間のフリをしているバンパイアが、地球上にはたくさんいるらしい。あんまりにもありえない設定だと思う。

『Viva Laughlin』
ヒュー・ジャックマン製作、たまにゲスト出演の予定だった。基本的にベガス舞台の刑事ドラマも、いきなり俳優が歌い出す半分ミュージカル仕立て。何故だか、見るのがこっぱずかしかった。

ABC評価:★★★

女性狙いのドラマ作りがことごとくヒットを呼ぶ、波に乗るネットワーク。新ドラマも好調で、『グレイズ・アナトミー』のスピンオフ『Private Practice』、NYのセレブ・ファミリードラマ『Dirty Sexy Money』、セレブ男たちのお友達ドラマ『Big Shots』、さらに独創性あふれる設定から、ファンタジードラマ『Pushing Daisies』は、今シーズンNO.1の評価を受けている。ライバルCBSの新ドラ『Moonlight』を隅に追いやったのが『Women's Murder Club』CBSのお株、犯罪ドラマで勝利するのは最高の気分かも。クリスティーナ・アップルゲートのコメディ『Samantha Who?』は、今シーズン唯一ヒットしている30分シットコムだ。

『Private Practice』
大病院の医療に疑問を持つLAのメディカルセンターにやってきたアディソン。最初はオペ室もないオフィスに、エリート意識の高いアディソンは戸惑うが…。アメリカの医療システムへの問題提起にもなっている。

『Dirty Sexy Money』
基本的に、セレブ一家の弁護士ニックが、彼らに振り回されるドラマ。最初の拒絶感からそのセレブ一家にだんだんはまってきた、実はM男だったニック。

『Big Shots』
『SATC』の男版ってやつ? 今さら…。主役の4人の中年男は、皆、会社の社長にもかかわらず、ほとんど働いているシーンがない。それでいいのか? こんな恋とゴルフばっかりで、オヤジ…。

『Pushing Daisies』
死人に触れて生き返らせることの出来るパイ職人の話。ただし、2回目に触ると死んでしまうところが切なくって魅力増。

 『Women's Murder Club』
刑事、検死官、検事、新聞記者、それぞれバツイチ・既婚・二股・若手の女性たちが、犯罪解決に向けて情報収集しあうため“秘密クラブ”を結成。アメリカのベストセラーが原作。

『Samantha Who?』
目覚めたら記憶を失っていたサマンサ。しかも、ビッチだったらしいし。記憶喪失以前・以後のサマンサの人格の違いからくる誤解がネタの素。

FOX評価:☆

このネットワークにとって、本当の新シーズンは1月なのかもしれない。誰だって期待してしまう新ドラマ『Terminator:The Sarah Connor Chronicles』、ドル箱『アメリカン・アイドル』がそれぞれ1月から開始。『24』第7シーズンが、脚本家組合のストライキで無期限延長になったのは残念だが。この9月から始まったドラマは、シットコム界の大物ケルシー・グラマーとパトリシア・ヒートンの『Back to you』と、ハリケーン以後回復の遅れるニューオーリンズを舞台にした刑事ドラマ『K-Ville』の2本のみ。FOXの秋は、独占契約しているメジャーリーグのポストシーズンで稼いでくれるということらしい…。

『Back to you』
LAのテレビ局での不祥事のため、若い頃所属したピッツバーグの田舎テレビ局に帰ってきたニュース・アンカーマンのチャック。そこには、当時一夜を過ごした、アンカーウーマンのケリーがいた。ケリーには一人娘がいて…。あとはご想像にお任せ。

『K-Ville』
ハリケーン以後、たくさんの住民が転居したニューオーリンズのスラム地区で、復興のため腰を据える決意をしたマーリンと、元服役囚の相棒トレバーのコンビによる刑事ドラマ。アンソニー・アンダーソンがいい味。

CW評価:★☆

昨年、WBとUPNの合併によって生まれた新ネットワーク。両ネットの人気番組ばかりを残し、さらに今シーズンのラインナップには自信があったと聞く。堅実な『ギルモア・ガールズ』 『エバーウッド 遥かなるコロラド』をあっさり手放したものの、南アフリカ舞台のファミリードラマ『Life is Wild』は打ち切りの危機さえあり、お笑い地獄の悪人ハンターもの『Reaper』は、『ヤング・スーパーマン』などでCWが生み出したSciFi路線をつかみきれない。唯一、ティーン・ソープオペラの『Gossip Girl』だけは、低視聴率ながら、iTunesで最もダウンロードされるドラマとして、10~20代の高い支持を証明している。

『Reaper』
両親がわが息子の魂を悪魔に売り渡したおかげで、地獄から逃げ出した悪人を追いかける役目を引き受けたダメ青年のコメディ。

『Life is Wild』
南アフリカに移住したアメリカ人ファミリーもの。象だのライオンなどが登場するムツゴロウなドラマ。

『Gossip Girl』
NYの高級プライベートスクールに通うセレブ高校生たちのソープオペラ。クリエーターが『The OC』のジョシュ・シュワルツということもあり、若者へのあおり感がうまい。あと一つ、主演のブレイク・ライブリーは健康的なのにエロい。

おまけ…ケーブル・ネットワーク評価:★★

アメリカのTVドラマを大きく進歩させた要因の1つは、ケーブル・ネットワークがオリジナル・ドラマを作りだしたことにある。この秋の新ドラマには何本かあるが、話題を呼んだのは性の悩みを抱えた夫婦・カップルの人間ドラマ『Tell me you love me』HBO)、法の倫理を問うサスペンスドラマ『Damages』FX)など。

『Tell me you love me』
老人・子持ちセックスレス・子づくり奮闘中・マリッジブルーの4カップルの話。性生活がすべての根底にあるってテーマなので、時に丸見え18禁。

『Damages』
巨大企業の従業員による集団訴訟を担当することになった、やり手女性弁護士が、あの手この手の弁護合戦を戦い抜く。グレン・クローズが、すごいけど嫌な女をいつも通り演じている。

橋本裕美子
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