ワンダーウーマンのオリジンを描く新ドラマ『Amazon』は、同じCWで放送される『Arrow』とクロスオーバーする?

20120914-00000000-dramanavi-02view.jpgDCコミックのスーパーヒロイン「ワンダーウーマン」のオリジンを描く新ドラマを、米CW局にて立ち上げる動きがあることが、アメリカで先週報じられた。『Amazon(仮題)』と名付けられているこの作品は、スーパーマンの青春期を題材にした『ヤング・スーパーマン』のように、主人公のワンダーウーマンことダイアナ・プリンスの若い頃を描く内容。まだ製作の初期段階だが、『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』のアラン・ハインバーグが脚本を手がけるという。

この『Amazon』と、同じCWで放送される新ドラマ『Arrow』とのクロスオーバーの可能性が、早くも取り沙汰されている。

『Arrow』は、やはりDCコミックのヒーローである「グリーン・アロー」が主人公となるアクションドラマ。『ヴァンパイア・ダイアリーズ』のスティーヴン・アメルの主演で、アメリカでは10月10日(水)から放送がスタートする。

ワンダーウーマンもグリーン・アローも、DCコミックのスーパーヒーローが集結する「ジャスティス・リーグ」のメンバー。両番組が肩を並べてクロスオーバーまで成し遂げたら、DCコミックがワーナー・ブラザーズと共に進めている、ジャスティス・リーグの実写映画版の布石としても盛り上がりそう。

だがそもそも、ひとつの放送局でふたつのヒーロー物は両立するのだろうか? 『Arrow』の製作総指揮者グレッグ・バーランティは、米The Hollywood Reporterのインタビューでこの問いに答えている。「もちろん! リアリティ番組をたくさん放送する余裕があるなら、こういう番組をたくさん放送する余裕だってあるはず。一緒に放送できたら素晴らしいだろうね」

さらに、脚本家のマーク・グッゲンハイムも「『600万ドルの男』と『ワンダーウーマン』が放送されていた子ども時代を思い出すよ。あの頃は、チャンネルを回すだけでスーパーヒーロー番組がすべて見られた」と好意的。「ふたつの番組が肩を並べる余裕はあると思う。同じ曜日に放送したら楽しいよね。2時間続けてCWで放送したらすごい夜になる」

では、クロスオーバーの可能性についてはどうだろう? この場合、『Arrow』がリアリティ重視の作風であることがネックになるかもしれない。

例えば、製作総指揮者のアンドリュー・クライスバーグはこう釘をさしている――「僕たちの番組はずっとリアルな世界を舞台にしている。超能力もスーパーヒーローもエイリアンも登場しない。ワンダーウーマンには超能力があるのでクロスオーバーは想定できないけれど、スーパーヒーロー物の素晴らしいところは、バットマンの例を見てもわかるように、つねに再創造されていること。リンダ・カーターが70年代に主演した番組は素晴らしかったし、今度もきっと『Arrow』とうまく補い合うような作品が出来上がることだろうね」。また、『Arrow』主演のスティーブン・アメルも、「超能力を彼女がもたない限り、うまくやっていけるはずだ」と言っている。

つまり、『Arrow』とのクロスオーバーを実現するために、ワンダーウーマンは超人的な能力を放棄しなければならないかもしれない。『Amazon』がどんな作品になるのかはっきりわからない現時点では、クロスオーバーの可能性はまだ不透明と見たほうがよさそうだ。(海外ドラマNAVI)

Photo:『Arrow』主演のスティーブン・アメル
(c)Ima Kuroda/www.HollywoodNewsWire.net