『スタートレック:エンタープライズ』のプロデューサーは、宇宙船の出航に1シーズンまるごと費やすつもりだった!?

ブラノン・ブラガカークやスポックの時代から100年前の宇宙を舞台にしたスタートレック・シリーズ(以下、ST)――として期待を集めたが、視聴率不振のためシーズン4で打ち切りになってしまった『スタートレック:エンタープライズ』。本作で製作総指揮を務めたブラノン・ブラガは、当初、宇宙船エンタープライズの出航までに1シーズンまるごとかけるつもりだったことを明かした。

この話が飛び出したのは、Geek誌が主催した座談会でのこと。STに関わったスタッフや批評家たちが集まった座談会で、『新スタートレック』以来ほとんど変わらなかった番組のフォーマットについて、ブラガは次のように述べている。

「『エンタープライズ』では本当はそうしたくなかったんだ。地球を舞台に、最初の宇宙船を建造する話をやりたかった。ちょうど、J・J・エイブラムスが映画『スター・トレック』でやったような感じでね。クリンゴンが攻撃をしかけてきて、地球を守るために宇宙船を出航させなければならなくなる。そして、シーズン1の最後に、ようやくエンタープライズが地上から飛び立つようにしたかった」

しかし、パラマウントはむしろ宇宙船を主体にした番組を求めており、従来のフォーマットから外れることは望まなかったのだという。シーズン3以降は連続ものの要素も取り入れているが、ブラガは番組スタート時点からその構想を立てていたことになる。

ちなみにブラガは、STのコンベンションに行くと、いつも映画ではなくTVシリーズのことをファンから尋ねられるそうだ。その体験を踏まえて「STはTVシリーズとして始まったし、それが本質だ。映画には出来のいいものもあったし、そうでないものもあったけれど、TVシリーズとは違う。『スター・ウォーズ』は映画が本領だけど、STの場合はTVなんだ」と語っている。

そうすると、新しいTVシリーズもいつかは作られることだろう。新シリーズのあるべき姿についてはクリエイターや批評家もそれぞれに意見があるようで、この座談会で活発な議論となっている。(海外ドラマNAVI)

Photo:ブラノン・ブラガ
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