今見るべき一押しドラマ!
まもなくエミー賞! だから、今のうちに復習しておきたい「過去の受賞作は?」「授賞式では何があった?」 ~エミー賞の15年~(前編)

20130823_c07.jpg1949年1月25日、サンセット大通りのハリウッド・アスレチック・クラブで開催された「第1回エミー賞授賞式」。【最も人気があるTV番組】には、ロサンゼルスのローカル番組として始まった『Pantomime Quiz』(いわゆるジェスチャークイズ)が、【最優秀パーソナリティ賞】には、子ども向け番組『Judy Splinters』で人形「ジュディ」を操りながら司会を務めていた腹話術師のシャーリー・ディンスデールが選ばれた。【特別賞】は、エミー像をデザインしたルイ・マクマナスに捧げられている。

その様子はロサンゼルス地区にTV中継されたものの、賞は6部門のみ・会場は600席しかない会員制クラブという、小規模かつ「ほとんど業界向け」のアワードだった。
それから60年あまり。賞カテゴリーは増減を繰り返しながら、主要なものだけで30近くに拡大。会場も7000人以上入るホールに移り、セレモニーは全米だけでなく世界で放映されるように。いまでは、各国のアメリカTVファンが心待ちにする「一大イベント」となっている。

そんな《エミー賞》の季節が今年も近づいてきた。
年季の入った海外ドラマファンにはやや物足りないかもしれないが、20~30代の海ドラファンでもピンとくる作品・名前が並ぶ【過去15年のエミー賞】を振り返ってみたい。

【関連特集】超人気ドラマが大激突!! アメリカのTV業界最大の祭典 第65回エミー賞

◆第50回(1998年)
<作品賞>
ドラマシリーズ部門:『ザ・プラクティス』(ABC)
コメディシリーズ部門:『そりゃないぜ!?フレイジャー』(NBC)
ミニシリーズ部門:『フロム・ジ・アース/人類、月に立つ』(HBO)

20年にわたって授賞式を開催してきたパサデナのシビック・オーディトリアムから、ロサンゼルス・ダウンタウンのシュライン・オーディトリアムへ。これまでの倍・およそ6000人収容可能な大会場で迎えた節目の年。コメディ部門作品賞は、『そりゃないぜ!?フレイジャー』が前人未踏の5連覇。この最多受賞記録(5回)は、現在もまだ破られていない。
ミニシリーズ部門作品賞に初めてHBOのオリジナルドラマが選ばれたのも、このメモリアルイヤー。例年、エミー賞では強さを見せつけているHBOだが、オリジナル作品による快進撃はこの頃から始まったといえる。
20130823_c04.jpg

◆第51回(1999年)
<作品賞>
ドラマシリーズ部門:『ザ・プラクティス』(ABC)
コメディシリーズ部門:『アリー my ラブ』(FOX)

『フレイジャー』6連覇を阻んだのは、当時、日本でも放送が始まっていた『アリー my ラブ』。1時間モノのコメディが初めて作品賞を制した。
ドラマでは『ザ・プラクティス』が2年連続作品賞。双方の番組を手掛けたデヴィッド・E・ケリーは、同年度に【ドラマ】【コメディ】両部門の作品賞を獲得した初めて&(今のところ)唯一のプロデューサーに!

◆第52回(2000年)
<作品賞>
ドラマシリーズ部門:『ザ・ホワイトハウス』(NBC)
コメディシリーズ部門:『ふたりは友達?ウィル&グレイス』(NBC)

20世紀最後のエミーを席巻したのは、前年秋に始まった『ザ・ホワイトハウス』。
新顔ながら、作品賞・脚本賞(アーロン・ソーキン他)・助演男優賞(リチャード・シフ)・助演女優賞(アリソン・ジャニー)など9部門を制し、【シーズン1年目での最多受賞】【1シーズンで最多受賞】の大記録を達成した。
20130823_c03.jpg

◆第53回(2001年)
<作品賞>
ドラマシリーズ部門:『ザ・ホワイトハウス』(NBC)
コメディシリーズ部門:『SEX AND THE CITY』(HBO)

9月16日に予定されていた授賞式は、5日前に起きたアメリカ同時多発テロの影響で10月7日に延期。しかし、延期されたこの日にアフガニスタン空爆が始まってしまう。再度、日を改め、結局セレモニーが行われたのはおよそ1か月後の11月4日。翌年閉鎖されることになっていたシューベルト劇場に会場を変更、規模を縮小して開催された。

◆第54回(2002年)
<作品賞>
ドラマシリーズ部門:『ザ・ホワイトハウス』(NBC)
コメディシリーズ部門:『フレンズ』(NBC)
ミニシリーズ部門:『バンド・オブ・ブラザース』(HBO)

20130823_c01.jpg同時多発テロの2週間後から新シーズンをスタートさせた『フレンズ』が、初の作品賞を受賞。
連日メディアが同時多発テロを報じる中、同じニューヨークを舞台としながらも、いつものキャラクターたちが以前と変わらない笑いを提供し、人々が日常を取り戻すための手助けに。
モニカとチャンドラーが新婚生活をスタートさせ、レイチェルがエマを産んだシーズン8は、2001-02シーズンのテレビ番組で全米視聴者数1位を記録。シリーズを通して最も多くの視聴者を獲得したシーズンとなった。

◆第55回(2003年)
<作品賞>
ドラマシリーズ部門:『ザ・ホワイトハウス』(NBC)
コメディシリーズ部門:『Hey!レイモンド』(CBS)
ミニシリーズ部門:『TAKEN』(Sci-Fi Channel)

「エミー賞授賞式」がAXNで初めて放送され、日本にいながら"アメリカTV界の祭典"を堪能できるように!
この年、リアリティ・ショー人気を反映して【リアリティ/コンペティション部門】が新設。作品賞には『アメージング・レース』が選ばれた。
ドラマ部門は『ザ・ホワイトハウス』が4連覇で『ヒル・ストリート・ブルース』『L.A.ロー』の最多受賞記録(4回)に並んだ一方、コメディでは『Hey!レイモンド』が7年目にして念願の作品賞に。助演男優・女優賞もブラッド・ギャレット(2連覇)&ドリス・ロバーツ(3連覇)の「レイモンド組」で、作品賞受賞に花を添えた。

<$MTPageSeparator$>

◆第56回(2004年)
<作品賞>
ドラマシリーズ部門:『ザ・ソプラノズ/哀愁のマフィア』(HBO)
コメディシリーズ部門:『ブル~ス一家は大暴走!(原題:アレステッド・デベロップメント)』(FOX)
ミニシリーズ部門:『エンジェルス・イン・アメリカ』(HBO)

20130823_c05.jpg『ザ・ホワイトハウス』の独走を止めたのは、やっぱり『ザ・ソプラノズ』!
コメディでは『そりゃないぜ!?フレイジャー』『フレンズ』『SEX AND THE CITY』などが軒並みフィナーレを迎え、どれが有終の美を飾るかに関心が集まった。
・・・が、受賞したのは(意外にも)新作『ブル~ス一家は大暴走!』。これを機に「モキュメンタリー風コメディ」の時代が到来!?
ミニシリーズ部門は『エンジェルス・イン・アメリカ』が総ナメ。作品賞・主演男優賞(アル・パチーノ)・主演女優賞(メリル・ストリープ)・助演男優賞(ジェフリー・ライト)・助演女優賞(メアリー=ルイーズ・パーカー)など、有無を言わせぬ雰囲気で11部門に輝く。
・・・でも実のところ、一番印象に残ったのは、ステージでのアル・パチーノのハイテンションぶりだったかも?

◆第57回(2005年)
<作品賞>
ドラマシリーズ部門:『LOST』(ABC)
コメディシリーズ部門:『Hey!レイモンド』(CBS)
テレビムービー部門:『ルーズベルト 大統領の保養地』(HBO)

アメリカ南東部をハリケーン・カトリーナが襲ったのは授賞式直前のこと。
第57回授賞式のホストは、エレン・デジェネレス。彼女は奇しくも前回(2001年)、二度の延期を余儀なくされていた。今回は延期されることはなかったが「真に笑いが必要な時に司会を務められるのは本当に幸せ」とコメント。その言葉どおり、授賞式では『アメリカン・アイドル』をもじった《エミー・アイドル》が実施され、ドナルド・トランプや『CSI:科学捜査班』のゲイリー・ドゥーダン、『ヴェロニカ・マーズ』のクリステン・ベルらが生歌で競い合い、ショーを盛り上げた。
賞レースではABCが健闘。
新作の『LOST』が作品賞・監督賞(J・J・エイブラムス)に輝いたほか、『デスパレートな妻たち』『ボストン・リーガル』も主要カテゴリーで受賞。ミッドシーズンとして3月に始まった『グレイズ・アナトミー』も、オンエアはわずか9話だったが高い評価を受け、助演女優賞を含む3部門にノミネート。来年が楽しみな存在に。
20130823_c02.jpg

◆第58回(2006年)
<作品賞>
ドラマシリーズ部門:『24 -TWENTY FOUR-』(FOX)
コメディシリーズ部門:『The Office』(NBC)
ミニシリーズ部門:『エリザベス1世 〜愛と陰謀の王宮〜』(HBO)

これまではアカデミー会員が、膨大なエントリーの中から自分の好きな作品・俳優を選び、そのうち上位5作品(人)程度をノミネート作品(俳優)として発表していた。しかし、この年からは主要部門の選考方式が変更に。
第一段階として、会員投票で上位10~15作品(人)に絞り、これを「ノミネーションのファイナリスト」としてリリース。ここからアカデミーが5作品(人)を選び、最終的なノミネートの顔ぶれとして発表することに。つまり、アカデミー側の意図がさらに色濃く反映される選考方法になった、というワケ。
そんなこともあってか、優れた作品で人気も実績もあるのに選ばれなかったものがある一方、これまであまりリストになかった名前が候補に挙がったり。ちなみに前年、作品賞ほか6部門受賞の『LOST』は主要部門にまったく引っかからなかった。
ノミネーションも受賞結果も、前回までとはかなり違った顔ぶれになったことが印象的。

◆第59回(2007年)
<作品賞>
ドラマシリーズ部門:『ザ・ソプラノズ/哀愁のマフィア』(HBO)
コメディシリーズ部門:『30 ROCK/サーティー・ロック』(NBC)
ミニシリーズ部門:『ブロークン・トレイル 遥かなる旅路』(AMC)

主演女優賞のサリー・フィールド(『ブラザーズ&シスターズ』)が、壇上でイラク戦争とブッシュ政権を批判。中継したのが保守系のFOX・かつディレイシステムによる放送だったことも災い(?)して、スピーチは途中でフェイドアウト。
FOX側は「『不適切』な文言があったため」とカットしたことを認めたが、放送禁止ワードを発したワケでもない彼女のスピーチがカットされたこの一件は、「テレビ局による"過剰な検閲"で、言論の自由を阻害するもの」だと問題に。
検閲騒動に低視聴率・・・と、いろいろ物議をかもした年ではあったが、欠席したリッキー・ジャーヴェイスの代わりにスティーヴ・カレルがトロフィーを受け取ったくだり、衝撃の最終回を迎えた『ザ・ソプラノズ』が作品賞受賞でフィナーレを飾ったこと、ミュージカル「Jersey Boys」の出演者による『ザ・ソプラノズ』へのトリビュート・パフォーマンスなど、個人的にはけっこう楽しめたセレモニーだったと思う。

(後編に続く)

【特集】超人気ドラマが大激突!! アメリカのTV業界最大の祭典 第65回エミー賞 もぜひご覧ください!

エミー賞のトロフィー
(c)The Academy of Televis / www.HollywoodNewsWire.net
『ザ・プラクティス』
(C)2011 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.
『LOST』
(c)Touchstone Television
『フレンズ』
(c)Bright/Kauffman/Crane Productions in association with Warner Bros. Television Production Inc.
『ザ・ホワイトハウス』
™ & (c) Warner Bros. Entertainment Inc. THE WEST WING and all related characters and elements are trademarks of and (c) Warner Bros. Entertainment Inc.