【私はこう観る!お先見】あなたも犯罪学を学ぶ学生と一緒に推理して楽しめる!法廷サスペンス・ドラマ『How to Get Away with Murder』(byサーシャLK)

また新たに!殺人事件が絡むリーガル・ミステリー・ドラマが誕生した。今回は今秋開始の新ドラマの中でもかなり人気が高く且つ高視聴率で、たった2話放送しただけでフルシーズン製作が決定した『How to Get Away with Murder』を紹介したいと思う。

DisneyABC Television Group Summer Press Tour 2014

【関連お先見】『How to Get Away with Murder』人気ドラマ『スキャンダル』のクリエイターが送る犯罪サスペンス!(by明美・トスト/Akemi Tosto)

製作総指揮者はションダ・ライムズとピーター・ノーウォーク。毎週木曜夜、米ABCでは『グレイズ・アナトミー』『スキャンダル 託された秘密』『How to Get Away with Murder』と、なんと3時間連続!ライムズ&ノーウォーク・コンビ製作のドラマが放映されて大好評なのだ。恐るべしチーム・ライムズ! 向かうところ敵なしで新ドラマを製作して放送すれば売れる、売れる!

まず今回、主役に抜擢された女優は、今まで映画界を中心に活躍してきたヴィオラ・デイヴィス。 ヴィオラといえば...厳格なカトリック学校で起きた事件の犠牲になった疑いがある少年の母親役を演じた『ダウト ~あるカトリック学校で~』ではアカデミー賞助演女優賞、1960年代の米国南部での黒人メイドたちの日常生活を描いた『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』ではアカデミー賞主演女優賞に、それぞれノミネートされた実力派女優である。そんな彼女が本格的にTVドラマ・シリーズの主役を演じるということで、米国では開始前から話題になっていた。私はヴィオラの落ち着いた低い声が好きだ。彼女の大きな眼で睨まれたら迫力がありビビッてしまうこと確実で、今回の役柄は彼女にピッタリ合っていると思う。

ヴィオラ・デイヴィス

ヴィオラ演じるアナリース・キーティングは犯罪学専門の大学教授であると同時に、自ら経営する法律事務所の弁護士である。自信に満ちあふれ、厳格で鋼鉄のような意思を持ち、それでいてオシャレでセクシー。しかし同時に、裏では他人には見せない弱気な一面もあり感受性も強いのだ。ロー・スクール(法科大学院)の新学期、新一年生の犯罪学クラスに、ワインカラーの革ジャケットと黒いタイト・ミニスカート、耳には大きなイヤリングという弁護士らしからぬ服装のアナリースが現れる。二百人以上の学生が学ぶクラスでアナリースが、「このクラスで学ぶことは..."How to Get Away with Murder"(実際に被疑者が殺人したかどうか関係なく)殺人罪を逃れる方法!」と黒板にチョークでバ~ンと大きく書いて授業開始。もし私がそのクラスに出席していたら、「チョット恐そうな教授だな~。でも授業おもしろそう!」と思ってしまうだろう。

公判中の刑事事件を授業の題材にするアナリース。被疑者のインタビューに学生を同席させ、学生個々に調査させ、授業中に意見を発表させる。被疑者の秘密の有力情報を得るために、情報提供者とも寝てしまう学生も出現! クラスに学生数が多いため、積極的に行動して発言していかないと取り残されてしまうのだ。①証人の評判を落とせ! ②新しい容疑者を探せ! ③(何が真実か否か判断でき難くするため)証拠を沢山提出して陪審員を混乱させろ!  「ソレがHow to Get Away with Murderだ!」というアナリース。彼女は「依頼主(被疑者)が有罪か無罪か...私は気にしない。なぜなら皆ウソツキだから!」とハッキリ言うのだ。

そして、アナリースは授業で最初に扱った殺人事件について、優秀または奇抜なアイデアを持つ男子学生3人、女子学生2人の計5人を選び、インターンとして自分の法律事務所で働かせる。選ばれた5人は殺人現場にも出向き、裁判も傍聴して、限りなく怪しく有罪のニオイがする被疑者について再調査する。 将来、有能な弁護士として認められるには、お互いライバルでもあるから、それぞれ仲が良いというワケでもなく足を引っ張たりして結構、皆ズル賢いのだ。毎回、内容が違う刑事事件にスポットを当て、裁判で判決が下されるシーンがあり、それと同時進行でドラマは別の事件も扱っている。アナリースと心理学専門の大学教授の夫は一見、仲が良さそうに見えるが、実はアナリースは浮気している。なんと相手は彼女が扱う事件を担当する刑事だ。第一話でいきなり、夫の教え子である女子大生が殺害され死体で見つかる。アナリースは「ボーイフレンドが彼女を殺したんだわ」と何かを見透かした眼で夫に言う。「そのうち判明するだろう...」と意味ありげに言葉を発する夫。過去に別の学生と浮気したことがある夫だからこそ、今回の女子大生とも性的関係があったのではないか?と疑うアナリース。ボーイフレンドである刑事に夫のアリバイ調査を依頼するが...!?

さらに毎回、フラッシュ・バック・シーンで、ある死体(ドラマ内で重要な人物なので秘密!)をアナリースのオフィスから運び出して、隠し場所を探す5人の学生たちの姿が少しずつ描かれていく。5人のうちの誰かが殺したのか? または彼らがオフィスに来た時に死体は既にそこにあったのか? ナゾは深まるばかり!

アナリース役のヴィオラがとにかくカッコイイ! 何やら秘密めいて複雑な性格であるからこそ彼女の魅力が増す。鋭いヒネリが効いたストーリー展開に眼も離せない。視聴者が、犯罪学クラスのシーンでは自分も出席している学生のような気分に、そして裁判のシーンでは自分も傍聴席に着席しているかのような感覚に浸れる犯罪ミステリー・ドラマである。


Photo:
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ヴィオラ・デイヴィス
(c)Richard Miller/www.HollywoodNewsWire.net