ショーン・ビーン(Sean Bean)

英国出身ながら1990年代前半という早い段階でハリウッドに進出し、英米で30年以上にわたり活躍しているショーン・ビーン。『ロード・オブ・ザ・リング』や『ゲーム・オブ・スローンズ』といったファンタジーものの印象が強いが、一時期よく悪役を演じていたこともあってか、一筋縄ではいかないキャラクターという役がよく似合う。

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本名はショーン・マーク・ビーン。ショーンの本来の綴りは「Sean」でなく「Shaun」。ヨークシャー州シェフィールドに生まれ、父親が経営する溶接工場で働いていたショーンは、デヴィッド・ボウイと地元のサッカークラブを愛する普通の青年だった。しかし、地元の芸術交流センターに顔を出すようになって演技に目覚め、1979年に名門であるロンドンの王立演劇アカデミー(RADA)に入学。卒業後の1983年、舞台『ロミオとジュリエット』でティボルトを演じてプロの道へ。その後、舞台で経験を積み、1984年の『ウインターフライト』で映画デビュー。1986年にデレク・ジャーマン監督作『カラヴァッジオ』で重要なキャラクターを演じると、その3年後には同監督と『ウォー・レクイエム』でも組んだ。

1992年のハリウッドデビュー作『パトリオット・ゲーム』では、ハリソン・フォード演じる主人公を狙うテロリストに扮した。以降も、『007/ゴールデンアイ』『RONIN』『サウンド・オブ・サイレンス』『ナショナル・トレジャー』などで悪役を演じる。しかし彼の最大の魅力は、『ロード・オブ・ザ・リング』のボロミア役のように、決して清廉潔白なタイプではないものの、人間臭いキャラクターを説得力をもって演じられるところではないだろうか。だからこそ、『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』で演じた全能の神ゼウスも、神々の頂点である遠い存在というよりも親近感の湧く人物として描かれている。一時のマイケル・ケインのように、来た仕事はすべて拒まず受けているんじゃないかと思うような作品もないわけではないが、彼自身の演技は毎回、一見の価値がある。

年に3、4本の映画に出ることも珍しくない働き者のショーンは、TVでも積極的に活動。1993年にスタートした人気シリーズ『炎の英雄 シャープ』で主演を務めるほか、『ゲーム・オブ・スローンズ』でボロミアに続くハマリ役、ネッド・スタークを演じたのは言うまでもないだろう。それ以外にも、エミー賞ノミネートのミニシリーズ『ミッシング』、国際エミー賞主演男優賞を受賞した『Accused(原題)』、FBI秘密捜査官を演じた『Legends(原題)』、19世紀の捜査官に扮した『The Frankenstein Chronicles(原題)』、『ゲーム・オブ・スローンズ』の自身をパロディにした『Wasted(原題)』などに出演。新作としては、一匹狼の神父に扮する『Broken(原題)』が控える。また、2015年からプロデュース業にも乗り出している。

主演作のいくつかが残念ながら日本未上陸なこともあり、日本のファンにとっては近年は脇役の印象が強いショーン。しかし、50代後半になっても変わらぬその人間味でこれからも私たちを魅了してくれることだろう。

■ショーン・ビーンのプロフィール
1959年4月17日 英ヨークシャー州シェフィールド生まれ

■役柄イメージ
何か企んでいる男、たびたび殺される男

■主な作品
テレビ:
ミッシング』(2012)
ゲーム・オブ・スローンズ 第一章:七王国戦記』(2011)
『ロスト・フューチャー』(2010)
『クルーソー』(2008)
『炎の英雄 シャープ』(1993~2006)
『スカーレット/続・風と共に去りぬ』(1994)
『チャタレイ夫人の恋人/オリジナル完全版』(1993)
『モース警部シリーズ VOL.24 有罪判決』(1992)

映画:
オデッセイ』(2015)
ピクセル』(2015)
ジュピター』(2015)
『クリーンスキン 許されざる敵』(2012)
サイレントヒル:リベレーション 3D』(2012)
白雪姫と鏡の女王』(2012)
『クリス・ヘムズワース CA$H』(2010)
パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』(2010)
『必殺処刑人』(2007)
『ヒッチャー』(2007)
サイレントヒル』(2006)
フライトプラン』(2005)
『スタンドアップ』(2005)
アイランド』(2005)
ナショナル・トレジャー』(2004)
トロイ』(2004)
ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』(2003)
『トムとトーマス』(2002)
『リベリオン』(2002)
『サウンド・オブ・サイレンス』(2001)
ロード・オブ・ザ・リング』(2001)
『RONIN』(1998)
『アンナ・カレーニナ』(1997)
『ドリームゴール』(1995)
007/ゴールデンアイ』(1995)
ブラック・ビューティー/黒馬物語』(1994)
『ショッピング』(1993)
パトリオット・ゲーム』(1992)
『ザ・フィールド』(1990)
『ウォー・レクイエム』(1989)
『ストーミー・マンディ』(1988)
『カラヴァッジオ』(1986)
『ウインターフライト』(1984)

■私生活
・結婚はこれまでに4回。1回目は、22歳になる直前の1981年に学生時代から付き合っていたデブラと。彼女と1988年に破局すると、その2年後に王立演劇学校時代に知り合った女優メラニー・ヒルと再婚して二人の子どもをもうけるも1997年に離婚。同年、『炎の英雄シャープ』シリーズで共演したアビゲイル・クラッテンデンと再婚し1998年に子どもが生まれたが、2000年に別れている。そして2008年、女優のジョルジーナ・サトクリフを相手に4度目の婚姻を結んだが2年あまりで離婚した。

・三人の子どもはいずれも娘で、名前は、ロルナ、モリー、エヴィ・ナターシャ。

■トリビア
・1986年に『007/リビング・デイライツ』でジェームズ・ボンド役のスクリーンテストを受けていた(結局、役はティモシー・ダルトンのものに)

・マーベル映画『アントマン』で主人公の師ハンク・プリム役に考えられていた(結局、役はマイケル・ダグラスのものに)

・目の上にある傷跡は、『パトリオット・ゲーム』のアクションシーンを撮影中にハリソン・フォードがつけたもの

・飛ぶのが嫌いで、『ロード・オブ・ザ・リング』の山中の撮影では、共演者たちが現場にヘリコプターで向かった一方、彼は衣装をつけた状態で歩いて移動した(飛行嫌いは後に克服)

・実は『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ3部作すべてに出演している(※『二つの塔』では完全版のみに登場)

・サッカークラブ、シェフィールド・ユナイテッドの大ファンで、左肩に「100% BLADE」(BLADEはチームの愛称)というタトゥーを入れている。2001年には同クラブの博物館を建てるなど多額の資金を投じた上、2002年から2007年まで理事の一人も務めた

・かつて、憧れのデヴィッド・ボウイを真似て髪の毛を赤くしていた

・モービーの「We are all Made of Stars」のPVに出演している

・数回、ローワン・アトキンソン演じる「ミスター・ビーン」宛のファンレターを受け取ったことがある

Photo:ショーン・ビーン
(c) Ima Kuroda/www.HollywoodNewsWire.net

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