ヒュー・ジャックマン(Hugh Jackman)

ヒュー・ジャックマンハリウッドで成功するオーストラリア俳優と言えば、メル・ギブソンから始まり、ラッセル・クロウと、無骨でワイルドな男くさい男たちだった。この"タフでワイルド"というオーストラリア俳優の伝統的なイメージに、マイルドな味わいを加えたのがヒュー・ジャックマンだ。紳士的な優雅さを身にまといながら、気取らず、素朴で、しかも腕っ節の強さも見せてくれる。

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『オーストラリア』で共演したニコール・キッドマンもヒューはオーストラリア俳優の中では"珍しく"紳士的な俳優で、とても貴重な存在だと冗談まじりに絶賛するほど。無骨な男らしさと洗練された魅力をあわせ持つヒューは、映画スターという顔だけでなく、ミュージカル俳優、そしてトニー賞といった名だたる賞の司会などでその才能を開花させている。

『X-メン』シリーズのウルヴァリン役で世界的なスターとなったヒューだが、ハリウッドに進出する前のオーストラリア時代は、テレビからキャリアをスタート。さらに人気ミュージカル『美女と野獣』や『サンセット大通り』などの舞台に出演し、頭角を現していった。この舞台での活躍が、国際俳優として最初のチャンスを呼ぶ。ヒューは、1998年イギリスの王立劇場での舞台『オクラホマ!』で主役に抜擢。英国演劇界で最も権威があるローレンス・オリヴィエ賞でミュージカル部門の主演男優賞にノミネートされる。これをきっかけに国際的に知られるようになり、その後、ハリウッドに進出。2000年『X-メン』のウルヴァリン役に大抜擢されてからは、『恋する遺伝子』『ニューヨークの恋人』といったラブコメに立て続けて出演。まさに追い風に乗って一気にスターダムを駆け上がり、2000年から2005年までピープル誌の「世界で最も美しい人々、50人」に連続で選ばれる。

『X−MEN 2』『ヴァン・ヘルシング』のヒットにより映画俳優としてキャリアは順風満帆。そのまま映画界だけにとどまるのかと思いきや、ヒューは再び舞台の世界に戻り、2004年ブロードウェイに挑戦する。オーストラリア出身のシンガー・ソングライター、ピーター・アレンの半生を描いたミュージカル『ア・ボーイ・フロム・オズ』だ。「本当にあの"ウルヴァリン"が、ミュージカルに?」と多くのファンが半信半疑だったが、もちろんダテにローレンス・オリヴィエ賞にノミネートされたわけではない。ヒューは主人公ピーターを演じ、トニー賞ミュージカル主演男優賞をいきなり受賞する。さらに2003年から3年連続、同賞授賞式の司会を務め、その卓越したパフォーマンスが評価され、バラエティと音楽番組の司会などに贈られるエミー賞個人パフォーマンス賞を受賞というオマケまでついてきた。そして2014年、ヒューはトニー賞授賞式で4回目となる司会を務める。

アクション俳優のイメージが定着しかけた頃にブロードウェイ・ミュージカルに出演し、"アクションだけじゃない"ところを証明したヒュー。そして、彼がつちかってきた実力を1つに結集させたのが映画『レ・ミゼラブル』だろう。歌で語り、歌で感じさせる最高のミュージカル映画で、主人公ジャン・バルジャン役を熱演し、アカデミー賞主演男優賞にノミネート。往年の人気ミュージカルなだけに、失敗は許されない。もし失敗すれば"映画スターだから"と白い目で見られる世紀の大役だ。プレッシャーも相当だっただろう。しかし、本作は大ヒット。ミュージカルに馴染みの薄かった観客にもミュージカルの魅力を伝え、ヒューは演劇界に恩返しをした。

映画や舞台で活躍するだけでなく、私生活では愛妻家であり、良きパパとしての顔を持つ彼は、仕事も家庭も完ぺきに守り抜く、まさに無敵のスーパースターと言えるだろう。


●ヒュー・ジャックマンのプロフィール
1968年10月12日、オーストラリア、シドニー生まれ。

○役柄イメージ:優雅で誠実なタフガイ

○主な作品
【映画】
『X-MEN:フューチャー&パスト』 (2014)
『プリズナーズ』 (2013)
『ウルヴァリン:SAMURAI』 (2013)
『ムービー43』 (2013)
『レ・ミゼラブル』 (2012)
『リアル・スティール』 (2011)
『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』 (2011)
『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』 (2009) 製作/出演
『オーストラリア』 (2008)
『彼が二度愛したS』 (2008) 製作/出演
『タロットカード殺人事件』 (2006)
『ファウンテン 永遠につづく愛』 (2006)
『プレステージ』 (2006)
『ハッピー フィート』 (2006) 声の出演
『X-MEN:ファイナル ディシジョン』 (2006)
『ヴァン・ヘルシング アニメーテッド』 (2004) 声の出演  
『ヴァン・ヘルシング』 (2004)
『X-MEN2』 (2003)
『ニューヨークの恋人』 (2001)
『ソードフィッシュ』 (2001)
『恋する遺伝子』 (2001)
『X-メン』 (2000)

○私生活
・親しい友人にリーヴ・シュレイバーがいる。
・ウルヴァリンの役作りのために肉体を徹底的に鍛え、ピーク時にはベンチプレス300ポンド(135キロ)以上あげていた。
・ラッセル・クロウとも親しく、『X-メン』のウルヴァリン役にヒューを推薦したのはラッセルだった。
・TVシリーズ『Correlli』の共演がきっかけとなり、オーストラリア人女優デボラ=リー・ファーネスと1996年4月に結婚。8歳年上の年上女房で、おしどり夫婦として知られている。夫婦は二度の流産を経験し、その後、二人の養子(男の子と女の子)を迎えている。
・ニコール・キッドマンとは旧知の仲で、妻デボラ=リーとニコール、そしてナオミ・ワッツは親友。ニコールとキース・アーバンとの結婚式にも夫婦で出席している。


「生中継!第68回トニー賞受賞式」 オンエア情報
☆生中継番組の案内役に宮本亜門と八嶋智人が決定! 井上芳雄と共に盛り上げます!

6月9日(月)8:30~【同時通訳】 WOWOWプライム
6月14日(土)20:00~【字幕版】 WOWOWライブ

公式サイトはこちらから

Photo:ヒュー・ジャックマン

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ライタープロフィール

柏木しょうこ
柏木しょうこ
エンタメ系翻訳家・ライター・企画編集。 『SMASH』『ブレイキング・バッド』などドラマ、映画をはじめ海外映像作品の字幕・吹き替え翻訳ほか、書籍翻訳を手掛ける。主な訳書は『ロング ウェイ ラウンド~ユアン・マクレガ―大陸横断バイクの旅』(世界文化社)『アンジェリーナ・ジョリー 暴かれた秘密』(ぴあ)、『恋とニュースのつくりかた』ほか。『英語で楽しくtwitter!―~好きを英語で伝える本』執筆・監修。現在、ジャパン・ニューズ(旧デイリー・ヨミウリ)にて映画のシーンを語るFrom the Sript(木曜掲載)を隔月で連載中。

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