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コラム

『メンタリスト』×『アイアンマン』=裁判のスペシャリスト!新感覚リーガルドラマ『BULL/法廷を操る男』

ドラマの人気ジャンルの一つであるリーガルドラマ。50年以上前に誕生した『ペリー・メイスン』を筆頭に、日本に上陸した代表的な作品だけでも、『L.A. LAW』『LAW & ORDER』『アリーmyラブ』『ザ・プラクティス』『ボストン・リーガル』『ダメージ』『堕ちた弁護士 ~ニック・フォーリン~』『ベター・コール・ソウル』『私はラブ・リーガル』『グッド・ワイフ』『SUITS/スーツ』『殺人を無罪にする方法』『弁護士ビリー・マクブライド』『アメリカン・クライム・ストーリー』などなど、枚挙にいとまがないほど数多くのタイトルが生まれている。

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そして今回新たに登場したのが「新感覚」の法廷ドラマである『BULL/法廷を操る男』。一体どこが新しいのか? 何といっても、主人公が弁護士ではないことだ。検事でも判事でもなく、彼は心理学者。ドクター・ジェイソン・ブルという、心理学の博士号を持つれっきとしたドクターであり、弁護士資格は持っていない。だが、「裁判科学」(心理学、神経言語学、人口統計学を駆使して陪審員を脳細胞レベルまで知ること)を用いて、陪審員たちの心理を読み解き、本人が判決を下すよりも先にその人が無罪・有罪のどちらに票を投じるかを予測。そして、その人を自分たちのサイドにつけるための対策を練り、自分たちの陣営の弁護士などを通してその対応策を実行する。

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このブル自身のキャラクターも型破りである。心理学に通じた彼は、相手の服装、言動、仕草、表情から即座に相手の職業や考えを見抜く。そのさまはシャーロック・ホームズのようでもあり、近年だと『メンタリスト』のパトリック・ジェーンと似たタイプだ。かつてエセ霊媒師をしていたこともあったジェーンは、相手が口にしていないことを次々と見破る心理学のプロ。そしてズケズケとものを言う癖と、容疑者から入館カードをちょろまかすといったマジシャンのような面があったが、発言の遠慮のなさと手癖の悪さ(?)はブルも同じ。自分のやり方を見て「裁判はこんな風には操れない」と言う弁護士(一応自分の味方)に「あんたはね」と返したり、弁護士が用意した冒頭陳述を「居眠りさせたいわけじゃなければ、あれでは勝てない」とこき下ろしたり、「裁判は人気投票じゃない」と言う弁護士に「あんたは人気なさそうだしね」と"口撃"。そして自分をペテン師呼ばわりする相手を突然ハグして「愛してるよ」と言うと、その隙にちょろまかしておいた腕時計に盗聴器を仕掛けて、勝手に動かないよう行動を監視したりする。

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その強烈な個性ながらも高い知性を感じさせ、シニカルな面もあるがどこかチャーミングで憎めないところは『アイアンマン』のトニー・スタークも彷彿とさせる。「ルールその1、クライアントは敵」と言うように基本的に人を信用せず、自分ですべてをコントロールしようとする。かと思うと、依頼人がパーティで二人の女の子と関係を持ったという話になれば、「そのパーティ、どうやったら行けるんだろ?」とふざけ、場を和ませる。このあたりは、ブルを演じる『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』のアンソニー・"トニー"・ディノッゾ役でおなじみのマイケル・ウェザリー自身のチャームも大きく手伝っている。

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依頼を受けて仕事をするブルは、時には殺人罪で起訴された金持ちの白人少年の弁護をしたりもするため、必ずしも正義の味方という印象は与えないかもしれない。しかしトニー・スタークのようにその根底には確固たる正義感があり、例えば裁判では表舞台に出てこなかった真犯人をのちに追い詰めたりと、最終的に爽快感を与える作品の作りになっている。また、時おり温かい面も見せ、父親に認められないことを悩む少年を「自分で自分を認めればいい」と励まし、誰も自分を信じてくれないと絶望する依頼人には「人に見切りをつけるな。人こそ希望だ」と諭す。そしてストーリーが進むにつれて、ブル自身にも心の傷や人間くさい面――子ども時代に辛い経験をしたこと、離婚した(元妻はブルの同僚の姉)時にかなり落ち込んだことなど――が語られ、そうした点もこのアンチヒーローをより身近な、魅力的な存在にしている。

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なお、ブルの「裁判科学」が本当に通用するのか疑問な人もいるだろう。しかし、本作はフィル・マッグロウ博士という実在の人物が自身の経験を元にした、実話がベースのドラマなのである(マッグロウ博士は企画・製作総指揮にも参加)。そして陪審コンサルタントといえば、2003年の映画『ニューオーリンズ・トライアル』のランキン・フィッチ(演じるのは『フレンチ・コネクション』のジーン・ハックマン)というキャラクターを思い出す人もいるかもしれない。そのフィッチのモデルとなったのは、「世紀の裁判」と呼ばれた刑事裁判でO・J・シンプソンを無罪に導いた陪審コンサルタント、ジョー・エレン・ディミトリアスである。彼女のことは、「Reading People(人の読み方)」なる原題の著作が日本でも出版されている(ヴィレッジブックス「この人はなぜ自分の話ばかりするのか?」)ので、そちらで知っている人もいるだろう。このように、普段は目に留まりにくいが、実は舞台裏から結果を収めている人たちなのだ。

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とはいえ、ブルは単独で仕事をしているわけではない。トライアル・アナリシス社(TAC)で国土安全保障省の元職員、元FBI捜査官、弁護士、ハッカー、スタイリストと組んで、心理学だけではカバーしきれない部分をチームで対応している。狙い通りの判決に導くためにどうすればいいのか、彼らが力を合わせてその目標を達成するまでに見せるチームプレーも魅力の一つだ。

2009年から裁判員制度が導入された日本でも、陪審に対する理解が少しずつ高まっている。そんな中で始まる新感覚の法廷ドラマ『BULL/法廷を操る男』の、リアリティとマジックが入り混じったようなストーリーと、ブルという強烈なキャラクターの魅力を味わってみてはいかがだろうか。

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■放送情報
WOWOWプライムにて10月7日(土)23:00スタート(第1話無料放送)
[二]毎週土曜 23:00~
[字]毎週水曜 22:00~
番組サイトはこちら

Photo:
『BULL/法廷を操る男』
(C)MMXVII CBS Broadcasting, Inc. All Rights Reserved.
『メンタリスト』
(C) Warner Bros. Entertainment Inc.
ロバート・ダウニー・Jr
(C) AVTA/FAMOUS

コラムライター
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