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【お先見!】『Weeds』のクリエイターが手がける女性刑務所を舞台にしたダークなコメディドラマ『Orange is the New Black』

全国の海外ドラマファンの皆さん、こんにちは。アワードシーズン到来ですね。先のゴールデングローブ賞では、TVドラマ部門で『ブレイキング・バッド』が作品賞と主演男優賞を見事に獲得。怒濤の最終話に加えさらなる有終の美を飾ることとなり、個人的に大満足でした。

このほど、一般の視聴者の投票によって決まるピープルズ・チョイス・アワード2014の発表がありました。今回は、そのフェイバリット・ストリーミング・ドラマという新カテゴリーで、『ハウス・オブ・カード 野望の階段』『ブル~ス一家は大暴走』をおさえて一番票を集めたNetflixのネット配信ドラマ『Orange is the New Black』を紹介します。

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このドラマのクリエイターは、あの人気ドラマ『Weeds ママの秘密』を創ったジェンジ・コーハン。『Weeds』は、『ザ・ソプラノズ』『ザ・シールド』などの犯罪ものからインスパイアされたオリジナル作品でしたが、『Orange is the New Black』はパイパー・カーマンという著者が、国際的な麻薬の密輸に関わったとして15か月の実刑を受け、女性刑務所ですごした自身の経験を綴った同タイトルのノンフィクション・ベストセラーをもとに脚色されたドラマです。

20140131_c02.jpg物語は、ヒロインのパイパー・チャップマン(テイラー・シリング『マーシー・ホスピタル』『一枚のめぐり逢い』)がフィアンセと一緒にニューヨーク州北部の女性刑務所に出向くところから始まります。ブロンドでキレイなヤッピー的ルックスを持つ、おおよそ犯罪者には見えないパイパーがなぜ受刑しなくてはならないのか? 


20140131_c03.jpg大学を卒業してまもない頃、人生にスリルを求めていたパイパーは、ゴージャスで謎めいた年上の女性アレックス(ローラ・プレポン『ザット'70sショー』)と出会い、すぐに恋愛関係に陥ります。実はこのアレックス、国際的な麻薬取引に深く関わっていて、パイパーはそれが犯罪だと知りつつも、彼女のためにスーツケースいっぱいのドラッグマネーの運び屋をしてしまいます。蜜月の後、アレックスの危ない橋を渡る生き方についていけなくなったパイパー、結局2人は別れることに。


月日が流れ、今は優しいボーイフレンドもいて、親友と始めたビジネスも軌道にのりそうな様子で順風満帆のパイパー。アレックスと過ごした日々のことは、すっかり封印した過去のはずでした。でも、単なる若気の至りではすまないんです。10年を経てやっぱり足がついてしまった。

そうして快適なニューヨークシティ生活から一変、不自由だらけのムショ暮らしが始まるのですが、これがなかなかダークなユーモアに溢れていて面白いのです。たとえば 、初日にパイパーは受刑者用の食堂のキッチンを取り仕切るレッド(ケイト・マルグルー(『スタートレック:ヴォイジャー』)に向かって、「ここの食事はひどいですよね~」なんてうっかり口をすべらせてしまいます。これがレッドの逆鱗に触れ、パイパーはご飯おあずけ制裁の憂き目に。受刑者の間には確固たるヒエラルキーがあり、その頂点に君臨するレッドには誰も逆らえないので、パイパーはすっかり孤立状態。その後、秘かに救いの手が差しのべられて、なんとか打開策を見つけるのですが...

20140131_c04.jpgまた、自分の人生をめちゃめちゃにしたあの憎きアレックスが、自分と同じムショにいることを知り愕然とするパイパー。前途多難。一方、パイパーと彼女が出所するのを待つ健気なフィアンセのラリー(ジェイソン・ビッグス『アメリカン・パイ』シリーズ)の存在もあり、このカップルが、フツーじゃない"遠距離"恋愛に耐えていけるのか。

このドラマの面白さは、刑務所という閉じられた世界の中での人間模様。そこにはヒエラルキー、人種差別、偏見、宗教観の違いなどが確実に存在して、それらのせいでしばしばいさかいが起きます。まさにキャットファイト(笑)。


そして、キャラの配置もうまい。性転換した元消防士、反原発運動家のシスター(尼さん)、マリファナ農場主だったヨガ教師、母親と同じ刑務所に入ってきて、オフィサーの1人と恋仲になる若い娘、パイパーを敵対視するキリスト教狂信者などなど、いろんなバックグラウンドを持つ受刑者が登場し、彼女たちがなぜここに入るにいたったのかが、フラッシュバックで明らかにされていきます。それに加え、刑務所スタッフたちの悪徳ぶりが見事で、嫌悪を通りこしてブラックだなぁと感動するほどです。決して小さい子どもにはみせられませんよ。

そんななかヒロインのパイパーは、実は一番好かれていないキャラ(少なくとも私の回りでは)。セクシーなアレックスを始め他の受刑者たちの方がむしろ魅力的に思えますが、それはクリエイターの意図したところなのかなとも思えます。パイパーを共感しづらい、ちょっとイライラさせるキャラにすることで、視聴者はへんに同情などしないで、彼女に降りかかる災難や困難を一歩ひいたところで笑うことができる気がするから。いわゆるギルティープレジャーです。

『Orange is the New Black』は、ドキュドラマではなく、あくまでもフィクションでエンターテイメントなドラマですが、そこには 非人道的な刑務所の方針やその非合理的なシステムに対する批判もしっかり存在していて、考えさせされます。ネット配信のドラマは、1シーズンが次の週を待つことなく一挙に観られるのがいいところ。 寝食こそ忘れませんでしたが、もう夢中で一気に観ていまいました。オープニングの主題歌も今では口ずさめます♪ ネットのニュースによると、シーズン2の撮影が終盤にさしかかり、2月には終わるとのことですが、もう次の配信まで待てません!

Photo by Jill Greenberg (c)2013 Netflix
テイラー・シリング
(c)Manae Nishiyama/www.HollywoodNewsWire.net
ローラ・プレポン
(c)Megumi Torii/www.HollywoodNewsWire.net
ジェイソン・ビッグス
(c)Ima Kuroda/www.HollywoodNewsWire.net

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キャサリン

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サーシャLK

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