【お先見!海外ドラマ日記】『フレンズ』のフィービー、再び!?新しいフォーマットのシットコム『Web Therapy』(from NY)
2011年08月01日[お先見!海外ドラマ日記]
今やTVや映画がネットで見られる時代に、Webのみで配信するネットTV番組もここ数年で珍しくなくなった。そんななか、あの『フレンズ』のフィービーでおなじみ、リサ・クドローが新しい試みを始めていた。
2008年から、高級ブランド車のレクサスが出資するL StudioというWebサイトで、リサが製作総指揮・脚本・主演を兼ねたシットコムを配信していたのだ。
リサが扮するDr.フィオナ・ウォリスがウェブカムを通してビデオチャットでセラピーを行うという、その名も『Web Therapy』。1ウェビソード(=Webドラマのエピソード)に一人のゲストスターが登場し、ストーリーラインはありつつもほとんど即興で演じて、リサとの絡みが笑いを生むというコメディだ。
その映像はPCの前にいるフィオナもしくはセラピーを受けている人がウェブカムに映っている(実際にはムービーカメラで撮影しているわけだが)、モニター上のウィンドウが入れ替わるだけの極めてシンプルなもの。ネットでセラピーをするというアイディアと、その固定ショットのみの映像が新しい。この作品でリサは、Webby Awardsというデジタルメディアのオスカー的な賞を受賞。ちなみに、ヒロインのフィオナはMacユーザーで、セラピーのセッションにはiChatを使っている。
このシットコムが、プレミアム・チャンネルであるShowtime局の目にとまり、30分の番組にするべく、オリジナルの映像の他に、セラピーのセッション時間外のフィオナや彼女の夫が出てくるシーン(ここでもウェブカムに映っている映像)を撮り足して編集し、晴れて7月19日に同名のタイトルでTVシリーズ・デビューを果たした。
番組はリサの演じるフィオナが、これから「ウェブ・セラピー」を立ち上げるところから始まるのだが、彼女の持論はこうだ。「これまでの50分のセッションは長すぎて、患者が余計なことをしゃべるから死ぬほど退屈した。自分の打ち出す新しいセラピーでは、セッションの時間を思い切って3分にすることによって、素早い結論を出せるからより素早い効果が上げられる」。この時点ですでにムチャなのだが、「ウェブ・セラピー」をビジネスとして拡大するためには出資者が必要!ということで、出資者が興味を示すような下世話なケースのセッションを録画して、それを宣伝材料として使用する許可を強引にとりつけたりもする。患者は、フィオナにセラピーを受けても、実際1ナノも助けられていないどころか、かえって混乱させられている。そのキャラは、エキセントリックで強引なところが『フレンズ』のフィービーを彷彿とさせるが、むしろ彼女から"不思議ちゃん"要素を引いて、もっと自己愛を強くした熟女といった感じだ。
これまでエピソード2まで放映され、オリジナルのウェブ版を見ずに視聴したのだが、これが正直、あまり笑えなかった。そのムチャで強引なキャラで笑える要素はあるはずなのだが、リサとゲストの即興のゆっくりしたセリフの応酬が自分のツボにはハマらなかった。新しいとはいえ、絵的には二人のバストショットのみが交互に映るのみの単調なものなので、みる者をぐいぐいひっぱっていくセリフの豊かさやストーリー展開の面白さが求められるが、これまでのエピソードに関しては、それらにあまり活気がなかったのが残念。いずれにしても、万人受けするタイプのシットコムではないかも。
一方、番組のエンドクレジットが流れる時に、NGショットが一緒に映されるのだが、むしろこちらの方が笑える。リサや相手の役者の素の部分がふっと垣間みえるからだろう。撮影現場の楽しそうな雰囲気が伝わってくる。
Web版の方はシーズン3まであり、『フレンズ』の朋友コートニー・コックスや『Glee』で大活躍のジェーン・リンチ、ジュリア・ルイス=ドレイファス(『となりのサインフェルド』)、そしてメリル・ストリープまでゲストで登場した。TVシリーズの方もそれに準じ、これから同様の手練のスターが出るのでもっとオモシロくなりそうな気配はある。アメリカの朝丘雪路ことリリー・トムリン(『ザ・ホワイトハウス』)が、フィオナの母親として近々登場! これは見逃せない。
Photo:リサ・クドロー
(c)Ima Kuroda / www.HollywoodNewsWire.net












