米TV界で各賞受賞の傑作ドラマ「ブレイキング・バッド」の人気キャラクター、ソウル・グッドマンを主人公にした「ブレイキング・バッド」の前日譚ドラマ

家族、青春、オフビート系、お仕事系、進化型...見ておくべきヒューマンドラマまとめ

ドラマ制作の環境が激しく変化し、秀作も増えたテレビシリーズ。しかし放送コードに縛られないケーブルや配信系の作品が増えたこともあり、その過激さもエスカレートしている。とはいえ、いつも犯罪ドラマやホラーなど血なまぐさい作品ばかり見ていると、少々疲れてしまうのも事実。面白い作品が増えるのは大歓迎だが、たまには癒やしを感じる作品が見たくなるのが人情だ。そんなヘビーな作品に疲れた人にこそぜひとも見てほしいのが『THIS IS US 36歳、これから』。同じ誕生日の36歳の男女の姿を描いたこの群像劇は、ありふれた日常を丹念に綴った正統派の人間ドラマ。それでいて、謎や驚きを極めてスマートな形で作品に取り込んでいるのが肝になっている。魅力的なキャラクターが織りなす共感性の高いストーリーと予想もしない展開が見事に融合した、いわば進化型のヒューマンドラマだ。

20171001_human drama_01.jpg【関連コラム】普遍性と革新性の見事な両立!『THIS IS US 36歳、これから』が全米を夢中にさせた理由

俳優が、"普通"を演じるのが一番難しいと言うように、ごまかしが効かないシンプルなヒューマンドラマほど難しいものはない。だが、ヘビーな作品が増えた今の時代だからこそ、『THIS IS US 36歳、これから』のように、ありふれた日常の中で起こる些細な出来事やキャラクターの心情を丁寧に拾い上げていくシンプルなドラマがいっそう心に沁みたりするのだ。

派手さはないが、キラリと光るモノがある。そんな秀作ヒューマンドラマはまだまだある。新旧作品を織り交ぜながら、大別して紹介しよう。

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まず癒し系といえば王道なのが、ファミリードラマ系作品。『大草原の小さな家』など古くから連綿と続くハートフルなストーリーがファミリードラマの最大の魅力だ。『エバーウッド 遥かなるコロラド』『プロビデンス』『エド ~ボーリング弁護士』『ハート・オブ・ディクシー ドクターハートの診療日記』『ギルモア・ガールズ』『ブラザーズ&シスターズ』などなど、家族愛やその地域の人間関係を描いたファミリードラマ枠はストレートに癒されるものが多い。ギャング絡みのサスペンスが入っている『ジェーン・ザ・ヴァージン』なども、基本はコミカル路線で嫌味がない。疲れた時にはピッタリの作品群だ。しかし、テーマがシンプルゆえに地味に思われるのか、ファミリードラマ系はなかなかソフト化されにくいのが難点と言える。絶対数が少ないとはいえ、犯罪ドラマだけでなくこうした普遍的なストーリーのドラマも積極的に拾ってほしいところだ。

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ファミリードラマはファミリードラマでも、かなりひねりの効いたオフビート系作品にも秀作は多い。トランスジェンダーの父とその家族を描いた『トランスペアレント』や、破天荒父とその家族のド貧乏生活記な『シェイムレス 俺たちに恥はない』、一夫多妻制の夫婦関係を描いた『ビッグ・ラブ』、葬儀屋一家の日常を追った『シックス・フィート・アンダー』など、どれもひとクセあるものばかり。癒やしという点では離れるが、ハマる人はどハマる強烈な個性と中毒性があるのは間違いない。中毒性という意味では『ダウントン・アビー』も外せない。ほっこりハートフルでもなく、クセのあるオフビート系でもないが、貴族とその使用人というまったく立場が異なる階級の人間たちのドラマをひとつにまとめ上げ、多層的な人間模様を見事に描き出している本作は、やはり優れたヒューマンドラマだ。

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ハートフルなファミリードラマと並んで、王道的な作品が多いのが青春ドラマ系。1990年代の『ビバリーヒルズ青春白書』『アンジェラ 15歳の日々』『ドーソンズ・クリーク』『フェリシティの青春』『フリークス学園』、2000年代の『THE O.C.』や『One Tree Hill/ワン・トゥリー・ヒル』『ゴシップガール』『glee/グリー』など、年代ごとにその時代を象徴するような作品が生まれるのも特徴的。等身大なキャラクターが大きな共感を呼ぶ青春ドラマは、同時代の人間はリアルに、大人世代は昔を思い出してセンチメンタルな気分になれたりするのが魅力だったが、近年は『GIRLS/ガールズ』『13の理由』のように10代、20代のシビアな現実を切り出した秀作も増えている。

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大人世代の共感度が高いヒューマンドラマなら、お仕事系のドラマがオススメだ。中でも人気があるのは、定番中の定番な医療ドラマ。『ER 緊急救命室』『グレイズ・アナトミー』のようにロングランとなるシリーズも多く、お仕事系ファミリードラマな『救命医ハンク』などは癒やしにはもってこいだ。他にも『ザ・ホワイトハウス』(これまたドラマ史に残る傑作群像劇)のクリエイター、アーロン・ソーキンによるニュース番組の製作現場を描いた『ニュースルーム』、法廷&政治ドラマの『グッド・ワイフ』、オーケストラが舞台の『モーツァルト・イン・ザ・ジャングル』、1960年代の広告代理店が舞台の『MAD MEN マッドメン』など、見応えのあるお仕事系ヒューマンドラマは多い。どの作品も社会人としていろいろな刺激が受けられるのがお仕事系ヒューマンドラマの魅力だ。

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Photo:
『THIS IS US 36歳、これから』
TM & (c) 2016-2017 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
Artwork (c) 2016-2017 NBCUniversal Media, LLC. All rights reserved.
『大草原の小さな家』
(C) 1974-1975 NBC Studios, Inc. All Rights Reserved.
『ギルモア・ガールズ:イヤー・イン・ライフ』
(C)Netflix.All Rights Reserved.
『トランスペアレント』
『シェイムレス 俺たちに恥はない』
(c) Warner Bros. Entertainment Inc.
『ダウントン・アビー』
© 2015 Carnival Film & Television Limited. All Rights Reserved.
『glee/グリー』
(c)2009-2010 Fox and its related entities. All rights reserved.
『13の理由』
(C) Netflix. All Rights Reserved.
『救命医ハンク』
© 2016 Open 4 Business Productions, LLC. All Rights Reserved.
『モーツァルト・イン・ザ・ジャングル』
Amazon Studios

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ライタープロフィール

幕田千宏
幕田千宏

好きなものはとことんディープにがモットーの映画・海外ドラマライター。

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