ヒロインの成長ぶりも必見!『女王ヴィクトリア 愛に生きる』蓮佛美沙子さんインタビュー

NHK総合にて本日7月30日(日)23:00よりスタートとなる超大型歴史ドラマ『女王ヴィクトリア 愛に生きる』。わずか18歳で即位しながら、63年の長きにわたって国を治めた"大英帝国の母"の人生を描く本作で主人公の声を担当する蓮佛美沙子さんを直撃! 凛とした美しさを持つヴィクトリアを演じる候補として真っ先に名前が挙げられたという彼女は、役柄のようにハキハキとした様子で、吹き替えに初挑戦した理由や、ヴィクトリアに息を吹き込むために行った工夫を語ってくれた。

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――記者会見で「声に対する苦手意識がある」とおっしゃっていましたが、そうした中で今回の仕事を引き受けるにあたって何が決め手になったのですか?

海外ドラマの吹き替えは今回が初なんですが、昔アニメの声優を一度やったことがあって、その時、自分の中で本当に悔しい思いをしたんです。自分では一生懸命やったつもりだったけど、完成品を見たら自分の声が棒読みになっていて、どうやったらこの状況を打破できるのかと考えていました。そんな時にちょうど今回のオファーをいただいて、最初は正直悩みましたし、私以外は全員プロの方だと聞いて、できるかどうか不安になりました。でも、ここで断ってしまったらこの先ずっと後悔すると思ったんです。折角こんなオファーをいただけて、ヴィクトリアという女王としての時間をプロの声優さんと一緒に過ごせるというのはすごく贅沢な機会だと考えて、「やらないと変われないな、逃げたままでは成長できないな」と覚悟を決めて、その後はとにかく努力努力で、努力すればなんとかなると思い込んでやることに決めました。

――初の吹き替えは、以前やったアニメの声優のお仕事とはやはり違いましたか?

全然違いましたね。やっぱりアニメだとセリフの頭とお尻さえ合っていれば、あとはある程度、自分の裁量で調節やアレンジができたと記憶しているんですけど、吹き替えとなると、台本に書かれている以外の表現、例えば、セリフを言う前にちょっと息を吸ったりといったものもすごく多くて。私の場合だとヴィクトリアを演じる女優さんに乗り移らないとやれないというくらい、本当にすべて、彼女の動きだったり息遣いだったりをすべて取り込んだ上でやらないと物理的に合わないし、そうしないと見ている方が多分入り込めないだろうなと思って、合わせていく作業を意識しました。ただ、一話分を一日で収録するため、合わせる作業を前もって覚えておかないとわけがわからなくなってしまうので、そこは大変で難しかったですね。

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――ヴィクトリア役のジェナ・コールマンさんに少しずつご自身を同化させていく中で、「ものにできた」と感じられたのはどのあたりでしたか?

最初は本当に、「私だったらここでセリフ言っちゃうけど、なんでもう一回息吸ったんだろう」みたいな感じで、自分じゃない生理現象に合わせるのがすごく難しかったんです。第1回の時から、元の映像を見て彼女がしゃべっている様子を覚えていく作業をずっとやっていたんですけど、全8回のうち第6回か第7回の頃には、まず収録前に元の映像を見る回数がすごく減ったんですよね。呼吸だったり声色の変化だったり顔の向きの変化だったりに対する理解が進んだみたいで、自然と覚えてすぐ次のシーンに行けるようになりました。腑に落ちるのが早くなったというか。彼女のお芝居の仕方や、呼吸の仕方を自分の中に落とし込めたのかなと思って、そこはちょっと嬉しかったですね。

――では、それ以降はよりスムーズに行けたのですね?

ええ、自分の中ではすごく覚えやすかったですね。

――アフレコ収録はベテランの方々と一緒に行ったそうですが、何か印象的なアドバイスはありましたか?

第1回の収録の時に言われて印象に残っているのが、「セリフより呼吸」というアドバイスです。書かれていることを間違えずに読むのは最低限なんですが、最初は、棒読みにならないよう声に感情を乗せたいと、セリフにとらわれがちだったんです。でも、それよりも大事なのは呼吸だよ、と言われて。呼吸が良くなればセリフも良くなるから、とにかく呼吸を意識した方がいいよ、とアドバイスしてもらった時、自分の中でもピンと来るものがあって。呼吸を大事にする=ヴィクトリアにちゃんとなれる、ヴィクトリアの呼吸を覚えるということだと解釈して取り組み、すごく助けられました。

――ヴィクトリア女王というとこれまで何度も映像化されている人物ですが、もともと彼女についてどのくらいご存知でした? 今回演じるにあたって何かリサーチはされましたか?

恥ずかしながらほとんど知らなかったんです。名前は聞いたことあるくらいで。このお仕事が決まった後で、同じく若い頃の彼女を描いた映画を見ました。自分の中で、18歳と女王というのがイメージとして合致しなくて、どういう声や表現をしているのかを調べるために。あとはネットや本で情報を集めましたね。

――この作品を初めてご覧になった時の印象は?

綺麗!って思いました。まずは、目で見て楽しいというインパクトが凄かったです。でも物語が始まるとすぐに心をつかまれるというか、18歳で女王として即位して、大人に囲い込まれながら、自分の足で立てるようにいろんなことを自ら決めていくという、「私は大人になるんだ」という自我の強烈な目覚めみたいなところの、ヴィクトリアの女性としての変化の流れはすごく面白かったですね。ただ、面白いと思えば思うほど、その声を自分があてることを考えて不安になったりもしましたけど(笑) でも最初はやっぱり、なんて面白い時代なんだろうと思いました。君主制で、みんながひれ伏す中で、彼女がこうと決めたら通ってしまうという世の中。彼女は18歳の女の子で、彼女を疎ましく思う大人もいて、という構図が新鮮で面白かったです。

――本作の見どころ、そして聴きどころを教えていただけますか?

見どころとしては、18歳の女の子がある日突然に即位して、そこからいろんな大人に翻弄されながら、政治的にも恋愛的にも、女性として女王としてたくましく成長していくという、周りも含めた人間模様が魅力的です。あとは世界観。綺麗な画質のテレビで日曜の23時から始まるこの作品を、お酒とか飲みながら観たら、すごく楽しい時間になるだろうなと思います。聴きどころとしては、本編もそうなんですけど、個人的にすごく新鮮で面白かったのが、次回予告ですね。吹き替えの予告は、本編のものを抜き出してつなげるのではなく、予告のために別録りするというのが、私はすごくビックリしたんです。本番ではみんな、声が被らないように別々に録っていますけど、テストだと予告は時間も短いので4本あるマイクを奪い合うようにしてセリフを言っているんです。そのセリフも本編とは少し変えていたりするので、そういう別録りの予告も楽しんでもらえればと思います。

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『女王ヴィクトリア 愛に生きる』はNHK総合にて7月30日(日)23:00スタート(初回のみ70分拡大版)。
番組サイトはこちら

Photo:
蓮佛美沙子
『女王ヴィクトリア 愛に生きる』
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