あの人たちは、今いずこ?

ケリー・ラッセル

ドラマファンなら、あの好きだったドラマで輝いていたあの子は、アイツは今何しているんだろう?と考えたことがあるだろう。今回は極私的な見地から、'90年代から10年ごとに遡り、お気に入りドラマの彼、彼女の行方を追ってみたい。

'90s『フェリシティの青春』のケリー・ラッセル
フェリシティの青春』は、渡米して最初にハマったドラマ。悩める大学生の青春ドラマという不変のテーマを扱っていたが、クリエーター、J・J・エイブラムズ(『LOST』『エイリアス』の描く世界がリアルで躍動感を持っていた。そしてなによりフェリシティを演じるケリー・ラッセルが素晴らしかった。1998年のファーストシーズンからから早10年。ナイーブでひたむきなヒロインをみずみずしく演じ、アメリカのティーンの絶大な人気を得たケリーは今いずこ?

彼女は映画『ウェイトレス~おいしい人生のつくりかた』(上映中)で、再びヒロインとして返ってきた。ケリーが演じるのは、アメリカ南部の田舎町に暮らすウェイトレス。パイ作りにかけては非凡な才能を持つが、暴力的で嫉妬深い夫(『シックス・フィート・アンダー』のジェレミー・シスト。この人は、こういう悪役がよく似合う)を憎み、不幸な生活を送っているという役どころだ。

スクリーンの中のケリーは、フェリシティの頃の凛とした美しさ健在で、さらにセクシーさが加わり、哀しくも笑えるビタースィートな物語のヒロインを魅力的に演じていた。また彼女は、アメリカで先週から始まった映画『August Rush』で非凡な音楽的才能を持つ少年の母親を演じており、映画女優としてのキャリアを着実に築きつつある。

私生活では、長くつき合ってたボーイフレンドと今年のバレンタインディに結婚。6月に男の子を出産した。ブルックリンに家を買って、親子3人幸せに暮らしているという。ここのところ映画の仕事が続いたが、もうテレビの仕事をしないというわけではないらしく、またお茶の間でも大人の魅力漂うケリーの姿を見られる日がくるかもしれない。

デヴィッド・ハッセルホフ

'80s『ナイトライダー』のデヴィッド・ハッセルホフ

さて、'80sのドラマといえばなんといってもデヴィッド・ハッセルホフの『ナイトライダー』だろう。彼の扮する主人公マイケル・ナイトが、人工知能の搭載されたしゃべるスーパーカー、K.I.T.T.と共に悪を退治する勧善懲悪なストーリー展開は、今見るといかにも古臭く、バカバカしくて頭がクラクラしてくるが、その一方でデヴィッド・ハッセルホフ見たさにどんどん見進めてしまうことも否めない。あの暑苦しい(ファンの方、失礼!)笑顔が、そして'80sをもろに体現しているヘアスタイルやファッションが今となっては新鮮でもあり、しまいにはあの印象的なテーマ曲が頭の中でループしだすのだ。

ハッセルホフが主演した世界的なヒット作『ベイウォッチ』もすごい。彼を筆頭にメインのキャストは、皆セクシーでグラマラス。ベイエリアのライフガードという職業柄、その水着姿を惜しげもなくさらしてくれる。老若男女、誰にとっても目に優しいドラマなのだ。プロデューサーでもあったハッセルホフは常にカッコいい(真っ赤な海パンもステキ)役回りで、40代前半にしてすでにいぶし銀の貫禄をみせていた。

ハッセルホフはその後、シンガーとしてのキャリアを追求しにヨーロッパに渡り、特にドイツ語圏のドイツ、オーストリア、スイスで成功をおさめ、「ドイツのプレスリー」といわれるまでになった(実際、ハッセルホフの先祖はドイツ系らしい)。母国アメリカではヨーロッパのようには売れていないが、その実力は業界で認められ、去年からNBCの公開オーディション形式のリアリティショー『America's Got Talent』で審査員も務めている。

また俳優としてTVや映画(『ドッジボール』『もしも昨日が選べたら』)、ブロードウェイ等でも主要な脇役として精力的に活動しているが、主演級の作品にはなかなかめぐりあえず、セルフパロディや私生活のスキャンダルが目立ってしまうのが、ちょっとさみしい。5月に出版された自叙伝『Don't Hassel the Hoff』では、『ナイトライダー』や『ベイウォッチ』の製作裏話や、離婚やアルコール依存症に悩んでいる自分を赤裸裸に語っているという。

そして、『ナイトライダー』のリメイクが、ダグ・リーマン(『ボーン・アイデンティティ』『Mr.& Mrs. スミス』)によってTVムービーとして製作されるという。なんでも、新しいK.I.T.T.は『トランスフォーマー』ばりに変身するんだとか。ハッセルホフのカメオ出演はあるのだろうか。

'70s『チャーリーズ・エンジェル 』のジャクリーン・スミス

'70年代は、面白いドラマやシットコムが少なくなかったが、なかでも『地上最強の美女たち!チャーリーズ・エンジェル』が印象深い。ずば抜けた身体能力と知力を持つ美女3人の探偵が、毎回容疑者に巧みに近づき、お色気を駆使して事件の真相を暴き悪い奴らをたじたじにさせてゆく様は、でき過ぎとわかっていても痛快だ。しかし映画版リメイク『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』に、ジャクリーン・スミスが初代エンジェルとしてカメオで登場した時には度肝をぬかれた。ビリー隊長にしごかれたようなデミ・ムーアの硬そうなお腹もすごかったが、それよりも60歳近いジャクリーンが、全く加齢を感じさせず若々しくてキレイなのが信じられなかったのだ。

ジャクリーン・スミスは、オリジナルのTVシリーズ『チャーリーズ・エンジェル』の5シーズンすべてに出演した唯一のエンジェル。当時はファラ・フォーセットが一番人気だったが、ちょっとカマトトなファラよりも、知的でエレガントなケリー・ギャレットを演じたジャクリーン・スミスのファンだった人も少なくないはず。同ドラマで女優としてブレイクしてから、TVの仕事を中心に着々とキャリアを築いてきたようだ。今年始まったケーブル局Bravoの『Shear Genius』というヘアスタイリストのコンテスト型リアリティショーのホスト、審査員としても活躍している。

俳優業の一方で、1985年から全米各地にあるディスカウントのデパートチェーン、Kmartでジャクリーン・スミスの名前でアパレルのラインを始めて、ビジネスウーマンとしても成功をおさめている。ブランド志向に走らず、庶民をターゲットにしたのが功を奏したようだ。今でこそセレブはこぞって自分のブランドをプロデュースしているが、ジャクリーンは20年前にすでに行っていたパイオニア的存在でもある。

私生活ではセレブの多勢にもれず(?)、結婚を4回していて前夫との間に2人の子どもがいる。あくまで家庭を大切にしているイメージも強い。ケリー・ラッセルにしてもジャクリーン・スミスにしても、美しさの秘訣は、やっぱり仕事の成功と幸せな私生活なのか。

こうしてみると、'70~'90年代にブラウン管の中で輝いていこの3人は、一児の母になっていたり、ますます円熟味を増してたり、あまり年をとっていなかったりとそれぞれだが、今でもTVや映画で活躍していて、また目が離せなくなった。

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ライタープロフィール

ほりうちあつこ
ほりうちあつこ

ニューヨーク在住のフォトグラファー/ライター。渡米してアメリカのTVドラマのクオリティの高さに驚きハマり、気がつけば10余年。アメリカのドラマは、自分にとってエンタテイメントであるのと同時に強力な英語の先生でもある。オールタイムベストは、『シックス・フィート・アンダー』。

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